Jユースやタレント軍団を撃破…1970年代に全国優勝2回の “古豪”浜名が復活目指し 静岡
1970年代に全国高校総体のサッカーで二度の全国制覇を成し遂げた“古豪”が復活を目指している。静岡県にある浜名高校だ。サッカー王国・静岡の主役の座を静岡市など県中部の高校に奪われ、20年近く全国大会に出場できなかったが躍進の気配が漂う。清水エスパルスのユースやタレント軍団・静岡学園を撃破し、波に乗っている。
静岡サッカーの勢力図が変わる?
高校生憧れの舞台と言えば冬の全国選手権だ。 これまで102回の歴史を誇る伝統ある大会で、静岡県の代表は優勝11回、準優勝10回と、まさに「王国」にふさわしい活躍を見せてきた。 ただ、そのほとんどが静岡・清水・藤枝といった中部勢だった。しかし、ここ数年でその勢力図が変わるかもしれない。西部の古豪が中部の牙城を狙っているからだ。 2022年度の静岡県のタイトルは、総体を磐田東、選手権を浜松開誠館、新人戦を浜名といずれも西部勢が獲得した。選手権は2022年と2023年のベスト4が、2年連続で静岡学園・藤枝東・浜松開誠館・浜名となり、中部勢に西部勢が食い込んでいる様子がうかがえる。
全国制覇2回…プロも10人輩出
2024年春、古豪の新たな門出を満開の桜も祝福してくれた。 県立浜名高校が県リーグから昇格し、プリンスリーグ東海へ15年ぶりに戻ってきた。県の高校サッカー界では上から2番目のカテゴリーだ。
浜名は2010年の南アフリカワールドカップ代表の矢野貴章 選手など、過去10人ものプロを輩出してきた県西部の古豪として知られ、全国高校総体では1970年と1974年の2回、全国制覇を成し遂げている。 内藤康貴 監督は「昔は全国大会で優勝しているし、ワールドカップに出ている先輩もいるわけで、“浜名といえばサッカー”と言われたいし、言われなければいけないという思いはあった」と話す。 就任11年目の内藤監督が話すように、輝かしい実績も今は昔。ここ10年以上はなかなか結果が出ず、古豪と呼ばれてきた。
同地区ライバルの躍進が刺激に
公立高校とあって設備も充実しているとは言い切れず、静岡・清水・藤枝などかつてしのぎを削り合った県中部勢への人材流出に拍車がかかり、全国はおろか、2006年を最後に長らく県のタイトルから遠ざかっていた。