最新の町村議会改革ランキング上位20を発表 町議会トップは北の大地から
全国地方議会の改革度を調べている早稲田大学マニフェスト研究所は19日、町議会、村議会を対象とした最新の議会ランキング上位20を発表した。町議会の1位は前年度と同じ北海道芽室町議会。村議会も長野県南箕輪村議会が前年度と同じくトップだった。
町議会トップ5は北海道と神奈川県から
同研究所は2010年度から毎年、議会改革度を調べるアンケート調査を実施している。最新の「議会改革度調査2016」には、全地方議会1788議会のうち1347議会(回答率75.3%)が回答。そのうち町議会は441議会、村議会は67議会が答えている。 町議会ランキングで1位となった芽室町議会は、全国総合最新ランキングでもトップ。2位は全国で初めて議会基本条例を制定した北海道栗山町議会が入った(前回町議会3位、最新総合13位)。3位は前回2位の神奈川県箱根町議会(最新総合21位)、4位は前回9位の北海道福島町議会(同23位)、5位は神奈川県大磯町議会(同総合32位)となり、トップ5は北海道と神奈川県の町議会で占められた。 また町議会ランキング20位の山形県庄内町議会が最新総合ランキング110位につけた。前回調査の町議会20位は総合132位に位置したことと比べると、改革推進に積極的に乗り出す町議会が増えてきたことがうかがえる。
南箕輪村議会は全国総合でも健闘
村議会は1位南箕輪村議会、2位茨城県美浦村議会で上位2議会は前回調査と同じ。3位福島県湯川村議会は前回より2つ順位を上げた。4位は前回と同じ長野県喬木村議会、5位長野県原村議会(前回は未回答)。 前回調査では全国総合ランキング上位300内に入った村議会はなかったが、今回トップの南箕輪村議会が最新総合175位となった。
住民が行政や議会にもっと関心もつ必要
この結果について、同研究所招聘研究員で、栗山町議会が議会基本条例を制定したときに同町議会事務局長を務めるなど、町村議会にくわしい中尾修氏は「高知県大川村で町村総会が検討されたことは『住民は行政や議会にもっと関心をもつ必要がある』というメッセージだ。人口減少による行政サービスの縮減、社会資本の老朽化など、自治体は問題が山積みとなっている」と指摘。 「不都合な真実を情報共有しながら『納得ある決定』をするためには、議会は、数十年後のまちの姿を想像し、住民と向き合って議決する必要がある。議会にとって、住民と直接対話する機会は必須要件。制度のない議会は、仕組みをつくることが急務だ」とのコメントを出している。 「議会改革度調査2016」は、「情報共有」(議事録などの公開具合と検証)、「住民参加」(傍聴のしやすさ、議会報告会などの実施など)、「議会機能強化」(議会本来の権限・能力の機能強化)の3つの観点から評価、数値化し、順位をつけている。