2点本塁打を放つドジャース・大谷翔平（撮影・水島啓輔)

【ロサンゼルス20日（日本時間21日）＝山田結軌、丹羽政善通信員】米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手（30）はロッキーズ戦に「1番・DH」で出場し、五回に2試合連発となる52号2ランを放った後、七回には二盗を決め「52本塁打、52盗塁」に伸ばした。4打数3安打2打点の活躍で6－4の勝利に貢献し、地区優勝へのマジックナンバーを「5」とした。MLB公式サイトによると、2試合合計で9安打、12打点は史上初。 【写真】50－50を達成し声援にこたえる大谷翔平 ロサンゼルスのファンは、スターの帰りを待ち望んでいた。前人未到の「50本塁打、50盗塁」に到達し、「51－51」まで記録を伸ばしてから一夜明け、大谷がマイアミから長距離移動してドジャースタジアムに凱旋（がいせん）。一回先頭の第1打席では、5万人近い観客から総立ちで拍手が注がれた。ロバーツ監督やチームメートも三塁ダッグアウトから出て、改めて祝福。大谷はヘルメットを脱ぎ、感謝の意を示した。 「素晴らしかった。感激した。初めてのシーズンでこうしたことをやってもらえるだけで、幸せだなと思う」 御礼のアーチは1点を追う五回だった。2死二塁、フルカウントから左腕フリーランドの投じた約148キロの直球は高めのボールゾーンへ。大谷は悪球をかち上げ、中堅左へ2戦連発となる逆転の52号2ラン。どよめきと歓声が交錯する中、右拳を握り締めた。 三回に中前打、七回には一塁内野安打を放ち、次打者ベッツの初球に52盗塁目となる二盗を決めた。これで盗塁は驚異の29回連続成功。「ここ数試合、彼は本当に集中している。あんな高い球をあそこまで運ぶとは、信じられない」と監督は感嘆した。 3打席連発を含む6安打10打点、2盗塁をマークした前日から勢いは止まらず、この日も3安打2打点、1盗塁。MLB公式サイトのサラ・ラングス記者によると2試合合計で9安打、12打点をマークしたのは、打点が公式記録になった1920年以降で初めて。また1試合で本塁打と盗塁を記録したのは今季14度目で、1900年以降では86年リッキー・ヘンダーソン（ヤンキース）を抜いてメジャー最多となった。 52本塁打、52盗塁として残り8試合。シーズン換算で「54－54」ペースになった。「意識したら（成績は）伸びていかないものだと思うので、無心で自分の役割ができるように頑張りたい」と大谷。122打点とともに打撃2冠を独走し、125得点も両リーグでトップに立った。

自身初のポストシーズン進出は決まっているが「みんな地区首位で行く、という気持ちを持っていると思う」と、もう一度気合を高めた。地区優勝へのマジックナンバーを「5」とし、最短Vは24日（日本時間25日）に本拠地で行われる2位パドレスとの直接対決3連戦の初戦に。メジャー7年目で迎える〝初優勝〟の歓喜の瞬間は、地元ファンの前で決める。