「応援ラーメン」「餅とコラボ」 異色のアレンジレシピで牛乳消費をもり立て
学校給食の休止やスーパーの休業で需要が落ち込む年末年始の牛乳消費をもり立てようと、生産者団体やメーカー、小売りがあの手この手のアイデアを打ち出している。年越しのお供の新定番にホットミルクや、正月に余りがちな餅と組み合わせたレシピ提案など、楽しみながらの酪農応援につなげる。 【画像】国産牛乳を使ったローソンの新商品 JA全農は31日、築地本願寺(東京都中央区)の年越しイベントで、「農協牛乳」のホットミルクを無料で振る舞う。年越しや初詣の温かい飲み物といえば甘酒だが、新定番として提案。「寒いときに飲む温かい牛乳は格別。酪農を応援してもらった感謝の気持ちを込めて配りたい」(酪農部)とする。 コンビニ各社の企画も目じろ押しだ。ローソンは12月下旬から、国産牛乳を使ったデザートや菓子パン4品を新発売。約85トンの牛乳の使用を予定する。ファミリーマートは1月8日まで、牛乳の30円引きセールを全国の店舗で行う。両社ではJミルクと連携し、インバウンド(訪日外国人)向けの牛乳の割引クーポンにも対応する。 ミルク“推し”のカップラーメンも登場した。エースコックは、北海道産生乳が原料の脱脂粉乳やバターの風味が楽しめる新商品2種類を投入。「冬にぴったりな味わいのラーメンで日本の酪農を応援する」と意気込む。 異業種とのコラボレーション企画を展開するのは、乳業大手の明治だ。1月4日からは、餅製造などを手がけるマルシン食品(新潟市)と連携。牛乳と餅のアレンジレシピを交流サイト(SNS)や店内広告(POP)でアピールしていく。 冬休み中も家庭で牛乳を飲んでもらおうと、Jミルクは全国の子ども食堂約800カ所を通じ、イトーヨーカドーやローソンで使える牛乳の半額クーポンを配る。 ◇ Jミルクの需給短信によると、23年の小売店での牛乳類の販売個数は11月まで全ての月で前年を下回る。「年末年始は飲用需要が大きく減退する」として、需要拡大策の継続を呼びかける。
日本農業新聞