北朝鮮軍20人が境界線侵犯 「道に迷った可能性」韓国軍が警告射撃
韓国軍合同参謀本部は11日、北朝鮮の軍人約20人が9日午後0時半ごろ、南北の軍事境界線を一時的に侵犯したと発表した。警告放送と警告射撃を実施したところ、軍人らは北朝鮮側に引き返した。韓国軍は「侵犯の意図はなかった」とみている。 韓国軍によると、現場は草が生い茂り、境界線の標識がよく見えない場所だという。北朝鮮の軍人らは、おのやつるはしを持って移動していた。韓国軍関係者は、道に迷って境界線を越えた可能性があるとしている。 北朝鮮側の一時侵犯が確認された9日、韓国軍は軍事境界線付近に拡声機を設置し、軍事宣伝放送を約6年ぶりに再開した。韓国軍がその2日後に公表した理由について、「さらなる緊張の高まりを避けるためではないか」(聯合ニュース)との見方も出ている。 南北間では、紙くずなどをくくりつけた風船を北朝鮮が飛ばしたことをめぐって緊張が高まっており、偶発的な衝突が起きる恐れも指摘されている。韓国軍は「(北朝鮮側が)境界線に近づく前から動向を監視し、必要な措置を取っている」と強調した。(ソウル=太田成美)
朝日新聞社