「業界初」中国SICCが300mmのSiC基板を発表
中国のSiC(炭化ケイ素)基板メーカーSICCは、ドイツ・ミュンヘンで開催された欧州最大級のエレクトロニクス展示会「electronica 2024」(2024年11月12~15日)および併催された「SEMICON Europa 2024」において、さまざまな高品質のSiC(炭化ケイ素)製品を展示し、シリコン(Si)からSiCへと移行するパワーエレクトロニクスソリューションを幅広い分野で推進していくという同社のコミットメントを強調した。 特に重要なのが、導電性N型SiC基板および、高純度の半絶縁性SiC基板、そして専用に作られた放熱性SiCベア製品だ。非常に優れた熱安定性と超高熱伝導性を備えるため、熱管理アプリケーション向けに最適な製品だとしている。さらにSICCは今回、「業界初」(同社)となる300mmのN型SiC基板および、大型のP型SiC基板も発表し、最新の技術進展を披露した。 現在、産業や電気自動車(EV)などのさまざまな分野において、SiCベースのパワーアプリケーション技術の導入が急速に拡大している。エネルギー変換効率をさらに高めることで、SiCソリューションは設計のさらなる小型化や軽量化、高コスト効率化を実現し、電化における新しいアプリケーションを生み出している。SiC基板技術で実績あるSICCは、高品質なSiC製品について大規模かつ幅広いポートフォリオの開発に取り組む。同社は、パワーデバイスメーカーにとって信頼できるパートナーとなるべく、消費者にサービスを提供する上で不可欠な高品質SiC基板の提供に注力している。 SICCの150mmおよび200mm導電性SiC基板は、高速スイッチング周波数、高電圧、高電力密度アプリケーション向けに設計されていて、優れたパワーデバイス性能のための安定した基盤を提供する。同社は、200mmの導電性4H-SiC単結晶基板において、貫通らせん転位(TSD)をほぼゼロに、基底面転位(BPD)密度を極めて低くすることに成功し、SiCデバイスの製造歩留まりの大幅な改善と、最も厳格な安全/安定性基準への準拠を実現したとしている。 SICCは、結晶成長プロセスを慎重に制御することで、高純度の半絶縁性SiC基板において、マイクロパイプ密度(MPD)ゼロも達成したという。これにより、均一なウエハー品質を保証し、多様な動作条件下において高周波数/高出力RFデバイス向けに最適な性能が提供できるとしている。 SICCは、2024年11月13日に行った新製品発表において、化合物半導体分野における最大かつ最高性能のSiC基板技術となるだろう、300mm SiC基板を披露した。このブレークスルーにより、半導体技術の進歩におけるSICCのリーダーシップが強調され、その最先端ソリューションの実行可能性が提示されたとしている。 同社はSiC基板の生産ではグローバルに認知されている企業だ。現在、中国・上海市で200mmSiC基板の生産能力を増強している。 【翻訳、編集:EE Times Japan】
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