走行中の北陸新幹線で訓練 刺傷事件を想定 JR西、東初めて合同
●黒部宇奈月温泉―上越妙高駅間 JR西日本・東日本合同の不審者対応訓練は3日、北陸新幹線黒部宇奈月温泉―上越妙高駅間を走行する車両内で行われた。刺傷事件を想定し、JR西日本と東日本のスタッフや鉄道警察など約50人が連携して対応を確認、閉鎖空間で起こる緊急事態に備えた。2015年に北陸新幹線が開業して以降、JR西、東の両社が具体的な事件を想定して合同訓練をするのは初めて。 訓練は刃物を持った不審者がトラブルになった乗客に切りつけたとの想定で、回送列車を走らせて実施した。 通報を受けた車掌や乗務員が周囲の乗客の避難を誘導し、興奮している不審者役をなだめた。新幹線に警乗していた富山県警の警察官2人が駆けつけて不審者役を取り押さえ、刃物を取り上げた。上越妙高駅に到着後、待機していた鉄道警察に身柄を引き渡した。 JR西日本金沢支社の金田啓一安全推進室長は「迅速にお客さまを誘導し、命を守る行動ができた。緊急事態にスムーズに連携をとるため、色んなケースを想定して各機関と協力して取り組んでいきたい」と訓練を振り返った。JR東日本新幹線統括本部の猪狩敬ユニットリーダーは「訓練を基に内容を充実、発展させていきたい」と話した。 JR西日本金沢支社は18年に東海道新幹線で殺傷事件が発生して以降、毎年訓練している。北陸新幹線はJR西、東の両社が運行しているため、指令の連携などを高めようと合同訓練が企画された。