加納陸、9年越しの世界王者へ地元の兵庫・三田で単独会見「必ず世界のベルトを関西に持って帰る」
◆プロボクシング▽WBO世界フライ級(50・8キロ以下)王座決定戦12回戦 同級1位・加納陸―同級2位アンソニー・オラスクアガ(7月20日、両国国技館) 同級1位の加納陸(26)=大成=が3日、兵庫・三田市内の所属ジムで会見に臨み「必ず世界のベルトを関西に」と必勝を誓った。 5月31日に都内での会見を終えたばかりの加納は「顔なじみの記者の方がたくさんで帰ってきたなという感じ」と笑いながら「こういう注目度のあるイベントで世界タイトルを争えるのは幸せ」と落ち着いた表情で話した。 自身2度目となる世界タイトルマッチ。1度目の世界挑戦は当時18歳の2016年8月20日だった。WBO世界ミニマム級(47・6キロ以下)王座決定戦で、高山勝成に6ラウンド負傷判定負けを喫した。「経験のなさが悪い方向に出た。自信を失いそうになった」と敗戦振り返る。それでも、「自分なら世界をとれるとただ信じてやってきた」と日本ランカーや世界ランカーに競り勝つことで「精神力と引き出し」を中心に自信を積み重ねてきた。 「自分を応援してくれている方々に世界をとったところをみせたい」。加納が「僕にはない熱さや言葉を信じてここまでやってこれた」と尊敬する丸元大成会長(48)をはじめ、ジム内の仏壇に毎日欠かさず手を合わせる同時期入門で15年に慢性骨髄性白血病で亡くなった服部海斗さん(享年17)ら、全ての人への感謝を込めて、デビュー当時から掲げる“三田から世界へ”を体現する。 通算成績は加納が17勝(8KO)3敗1分け、オラスクアガが6勝(4KO)1敗。 ◆加納陸(かのう・りく)1997年11月16日、兵庫・川西市生まれ。26歳。小学4年からボクシングを始め、6年時のU―15全国大会37.5キロ級で2位。中3時の2012年、同大会47.5キロ級で優勝。16歳の13年12月、フィリピンでプロデビュー。15年6月、国内プロデビュー。16年8月、勝てば日本人最年少世界王者だった18歳9か月でWBO世界ミニマム級王座決定戦出場も高山勝成に敗れる。21年7月、WBOアジアパシフィックライトフライ級王座獲得。22年9月、同フライ級王座獲得。身長159センチの左ボクサーファイター。姉の加納葉月はタレント。
報知新聞社