架空の注文を運んだことに…フードデリバリー業者から配送報酬を騙し取ったとして全国初の検挙 大手事業者「由々しき事態」
コロナ禍で急拡大したフードデリバリーサービス。 そのシステムの弱点を突き、架空の発注をして配送報酬を騙し取ったとして、先月までにベトナム国籍の男女を含むグループが逮捕・起訴されました。 【写真で見る】フードデリバリー悪用 その手口とは 全国初となったフードデリバリー業者の配送報酬をめぐる詐欺事件の検挙。その手口とは? ■コロナ禍で市場急拡大のフードデリバリーサービス 飲食店で作られた料理などを指定した場所に届けてくれるフードデリバリーサービス。 コロナ禍で外出を控える人が増えたことで市場が急拡大し、すっかり生活に定着しました。 利用者は、フードデリバリー業者が提供するアプリを通じて料理などを注文。 注文を受けた事業者は利用者から商品の代金に加えて手数料を徴収し、商品を運んだ配達員に報酬を支払います。 スマートフォン1台で手軽に利用できるサービスですが、これらの仕組みを悪用したとして、先月までにベトナム国籍で無職のド・ヴィエット・ドゥック被告(25)、飲食店経営のグエン・ティ・トゥイ被告(24)、飲食店従業員の高木陸(たかぎ・りく)被告(36)ら男女5人が電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕・起訴されました。 ■悪用の手口架空の注文を配達したことに配送料を騙し取る まず、ド被告が複数台のスマートフォンでアプリを操作し、知人のグエン被告が営む飲食店に「架空の注文」をします。 注文を受けたグエン被告は商品を作っていないにも関わらず、配達員に商品を渡したように偽装。 ド被告が配達員のアカウントが登録された別のスマートフォンで商品を届けたことにして、「架空の配達」を成立させていました。 配達員のアカウントは高木被告ら日本人の男2人のものだったということです。 こうしてフードデリバリー業者から配送報酬を騙し取ったとされるド被告らのグループ。 より多くの利益を確保するために目を付けていたとみられるのが配送報酬が増額される「業者独自のルール」です。 ■時間帯や場所だけでなく、所要時間でも変わる配達報酬 配送報酬は時間帯や場所によって異なりますが、1回あたり数百円というケースも少なくありません。 一方で今回、ド被告らのグループには、フードデリバリー業者から1回あたり3000円あまりが支払われていました。 複数のフードデリバリー業者に登録している配達員のAさんに話を聞きました。