FDA 、アイメイク業界を揺るがす規制のMoCRAを発表:米国の美容業界を規制するための80年以上ぶりの動き
12月末に発効する、MoCRAと呼ばれる2022年化粧品近代化規制法(Modernization of Cosmetics Regulation Act of 2022)に関する混乱をめぐって、この数カ月間、美容業界では徐々に不平不満が生じている。
美容業界に大影響を与えるMoCRAとは
今年初めにGlossyが報じたように、MoCRAは米国での美容業界を規制するための80年以上ぶりの大きな動きと見なされている。MoCRAにより、アメリカ食品医薬品局(以下FDA)は美容製品に含まれる成分と製造場所を新たに把握できるようになる。また、MoCRAは、製品のリコールを義務づけ、一般的なアレルゲンについて消費者に警告する新たな権限をFDAに与えている。これは、長いあいだ知的財産として分類されていた香料成分リストが新たに可視化されたおかげであり、現在ではそのリストをFDAと共有しなければならない。 MoCRA準拠の最初のステップとして、美容ブランドは自社製品とその製造場所のリストをMoCRAの発効日である12月29日までに提供しなければならないとされていた。しかし、FDAは、11月8日、その期限を2024年6月1日に延期する意向を発表した。 「FDAの新しいガイダンスは、MoCRAに準拠する企業の義務を排除するものではない。施設の登録と製品リスト要件の施行が6カ月遅れるだけだ」と述べるのは、フィラデルフィアのデュアン・モリス法律事務所(Duane Morris Law Firm LLP)のアソシエイト、ケリー・ボナー弁護士だ。「企業は、引き続き、(FDAの担当窓口となる)自社の『責任者』を特定して、MoCRAにより要求されるすべての情報を収集するとともに、今年初めにFDAが発表したガイダンス草案に記載されている情報の収集にも取り組むべきだ」。 MoCRAについてGlossyが尋ねたほとんどのブランドは新しい規制を歓迎している。市場調査会社のスタティスタ(Statista)によると、それは、より安全な製品を求める消費者の抗議が83億ドル(約1.3兆円)規模のクリーンビューティ市場の成長を促しているためだ。この市場は2028年までに153億ドル(約2.3兆円)に達する可能性がある。だが、多くのブランドは、コンプライアンスのベストプラクティスやこの猶予期間中の法的保護についての理解が不足していることに不満を感じている。