「反腐敗」剣を抜いた中国…「8億元贈収賄」元党書記の死刑免じる
中国裁判所が巨額の贈収賄容疑で起訴された元貴州省党書記の孫志剛被告(70)に執行猶予付きの死刑判決を言い渡した。 30日、中国中央テレビによると、前日天津市第2中級人民裁判所は孫被告に対する1審宣告公判で約8億1300万元(約175億円)の賄賂をやり取りし職権を乱用するなどの容疑を認めて執行猶予2年の死刑を宣告した。 死刑猶予は猶予期間が終わった後、犯人の態度を考慮して無期懲役に減刑する中国特有の司法制度だ。ただし、無期懲役に変更された後、追加の減刑や仮釈放は許されない。 裁判所は「被告人の贈収賄額が非常に大きく、罪質が重く社会的影響力が大きいため重刑が避けられない」としつつも「ただし、贈収賄の事実を自白し、罪を悔いて賄賂を積極的に返還した点などを情状参酌した」と宣告理由を明らかにした。 規律検査委員会は昨年8月、党中央規律検査委員会が元貴州省書記の孫被告を深刻な規律・法律違反容疑で調査していると発表したことがある。 孫被告は湖南省や安徽省などで各種職位を経て、2017年7月貴州省書記に抜擢された。 これに先立ち中国裁判所は、3億8600元の贈収賄容疑で起訴された元中国人民銀行副銀行長の范一飛被告に執行猶予付きの死刑判決を言い渡していた。 11日国営「新華通信」によると、中国湖北省黄岡市中級人民裁判所は、前日に范被告に対する1審宣告公判で贈収賄や職権乱用など容疑を有罪と判断してこのように宣告し、政治権利の剥奪と全財産没収処分を下した。 中国では今年に入っても高位職が腐敗容疑で相次いで政界から追放されるなど高強度の査定ドライブが続いている。 習近平国家主席は3月末の共産党指導部会議で「腐敗が繁殖するような土壌と環境を断固として除去しなければならない」と明らかにし、高強度の反腐敗監査作業が続くと予告していた。