祇園祭山鉾に月山松 岩手・奥州 関係者見守り伐採作業
日本を代表する祭りの一つ、京都市の祇園祭で巡行する山鉾(やまほこ)の一部に、奥州市前沢生母の月山神社境内山林に自生する「月山松(アカマツ)」が使用されることになり4日、地元の同神社総代会(鈴木健一総代長)と月山松を守る会(菊地一男会長)、京都市の山鉾を所有する団体の関係者らが見守る中、業者による伐採作業が行われた。守る会と共に月山松を管理してきた鈴木総代長は「藩政時代に植えられ、樹齢350年の大木が山鉾の一部に使われることはうれしい」と喜んだ。 神事後、根元で直径約1・2メートル、高さ10メートル超に成長した月山松1本の伐採が開始され、参列者は作業完了までを見守った。 月山松は、同神社奥の院周辺に広がる森林の中で育ち、松くい虫被害や風倒などを逃れた樹齢300年余りの六十数本のアカマツ。枝のない幹が真っすぐに伸びており、神社などの建築材として知られている。2018年には名古屋市の名古屋城天守閣整備(現在も整備中)の天守閣の床梁(はり)に使用され、注目を浴びた。