「異例に早い解散総選挙」「1強多弱が変わる可能性」 飯尾教授ら3政治学者が討論
THE PAGEは25日夜、3人の政治学者を招き、討論番組「<THE PAGE 生トーク>衆議院解散! 総選挙をどう見るべきか?」をライブ配信した。今回の総選挙への見方や意味について、飯尾潤・政策研究大学院大学教授、逢坂巌・立教大学兼任講師、中北浩爾・一橋大学教授の3氏が語った。聞き手はジャーナリストの武田徹氏。
なぜ総選挙か
今回の解散総選挙について、飯尾氏は「ちょっと早い時期でわかりにくい。異例の選挙ではある」と語る。総選挙は通常、小泉政権での郵政法案否決など、乗り越えなくてはいけない壁が出てきたとき、もう一つは任期満了が近づいてきたときに行われるとし、「中選挙区時代の自民党1党優位時代は派閥の都合での選挙があったが、ここ20年は任期満了以外ではよほどのことがないとなかった」と説明。海外の反応も「十分に議席はあるのになぜリスクをとるのか」といったものだという。 中北氏も、自民党結成以降、2年以内の解散は「ハプニング解散(1980年)」と「郵政解散(2005年)」の2回しかないといい、「短期の異例の解散総選挙。大義大義と今回言われているがそれなりに理由はある」と語る。 逢坂氏は、安倍首相が解散総選挙に踏み切った背景について、「良く言われていることだが、来年、株価と支持率が下がる可能性がある。税金を上げるのを断念すると、野党や財務省、自民党内の反対派の攻撃を受けて、安倍さんがやりたい政策が行き詰る可能性がある。そういう文脈だと見えてくるものもある」と語った。 飯尾氏も「自民党政権が安定していることを前提に来年、(安倍氏が)総裁選に再選されると考えると、2期6年でいつ選挙するか、今しておけば自分の総裁任期中には選挙がないことになり、安定した政権運営ができる」と分析。ただ「問いかけられた国民は『はい、そうですか』という風には判断しないだろう。この選挙のわかりにくさが有利か不利かわからない。(政権に)有利かどうかだけだとそれ自体に反発があるかもしれない。だから大義が問われる」と語る。