ローストビーフ成功のための7つのルール
ローストビーフ成功のための7つのルール
パーティーを最高に盛り上げてくれるのが塊肉だ。その佇まい自体に存在価値があるが、当然、生かすも殺すも調理次第である。塊肉料理の王道であり真骨頂、ローストビーフを極めてみよう! ハイアットリージェンシー東京CAFFÈ(カフェ)の洋食料理長を務める大谷勇シェフに、その極意をきいてみた。
ローストビーフマスターが教える7箇条
原理はシンプルなローストビーフだが、“レストランのようなロゼ色” を叶えるには守るべき7つのキーワードがあった。
常温リブロースを使用するべし
ローストビーフには、適度な脂と旨味のある赤身を併せ持つリブロースが最適だ。調理前には、熱を均一に伝えるために、肉は必ず常温に戻す。これは肉料理の基本中の基本。ステーキにも応用できるテクニックなので、徹底しよう。
縛ることで形を保つ
店で提供されるローストビーフは、薄切りながら、整った楕円形をしている。塊肉は火を通すと、形が崩れてしまうものだが、タコ糸で縛ることでローストビーフ特有の形状が保たれる。視覚的な美味しさを生み出すテクニックだ。
一晩のマリネが深い旨味を引き出す
タコ糸で縛った肉は、全面に塩・コショウを振り、オリーブオイルを塗ったうえで一晩寝かせる。この工程により、下味が定着し、肉からアミノ酸が発生し旨味が増すという。塊肉から作るローストビーフならではの玄人技である。
二度の焼きにそれぞれの目的がある
熱を加える前に焼き目をつけるか、仕上げに焼くか。これはローストビーフにおける最大の論点だろう。答えは2度焼きだ。肉汁が漏れぬよう加熱前に焼き目でコーティングし、仕上げ段階では香ばしさを出すため焼く。
58°Cで5時間
焼いた肉を真空パックし、芯温が58°Cになるよう5時間かけてスチームコンベクションオーブンにかけるのがプロの技。自宅であればストックバッグに肉を入れ、ストローで空気を抜き、75°Cの湯煎で芯温58°Cを目指せば良い。
ベストな厚みは7mm
美味しく感じる要因のひとつが、絶妙な薄さによる口溶けの良い食感であろう。薄過ぎても物足りなく、厚過ぎれば口当たりが悪い。大谷勇氏が教えてくれたベストな厚みは7mm。経験を重ね、均等に切れるようになろう。