プーチン氏が訪中、習主席と会談へ 中露結束強化 軍事協力も拡大か
ロシアのプーチン大統領は16日、中国・北京を訪問した。17日までの日程で、習近平国家主席や李強首相らと会談する。ウクライナ侵略で欧米諸国との関係を決定的に悪化させたロシアは、外交・経済上の最重要パートナーとする中国との結束を強化し、ウクライナ侵略に伴う国際的孤立と欧米主導の対露制裁打破を狙う。中露は軍事技術分野での協力拡大も協議する見通しだ。 プーチン氏の訪中は昨年10月以来で、今月7日の通算5期目の大統領就任後では初。インタファクス通信が伝えたウシャコフ露大統領補佐官の説明によると、首脳会談は北京で16日に行われる。ウシャコフ氏は新任期初の外遊先が中国となった理由を「両首脳の個人的相性」と「中露協力の優先性」だと説明した。 ウシャコフ氏によると、会談で両首脳は貿易や経済協力を優先的に協議し、エネルギー分野の協力拡大も話し合う。国際関係では、ウクライナ情勢や中東情勢に加え、アジア情勢でも幅広く意見交換するとした。台湾問題や日米の軍事協力の強化などを念頭に置いているとみられる。 今年が中露国交樹立75周年に当たることも踏まえ、両首脳は会談後、相互協力の深化を定める共同宣言などに署名する。 プーチン氏は17日、中露国境に位置する黒竜江省ハルビンを訪問し、現地で中露の地域間協力をテーマとしたフォーラムなどに出席する。 露代表団には、ベロウソフ国防相やラブロフ外相、ショイグ国家安全保障会議書記らが参加。さらに、他国との軍事技術提携を所管する連邦軍事技術協力局のシュガエフ長官らも同行して中国側との会談に加わる。