アクション経験豊富な渡邊圭祐に「挑戦だった」と語らせた、映画『八犬伝』の殺陣シーンとは?
“小賢しい武器”を使わない真っ直ぐなアクションは初めてだった
――渡邊さんはアクションがお得意という印象が強いのですが、役の特徴を身体を使ってつかんでいくのがお好きですか? 以前、曽利さんとご一緒させていただいた作品(『鋼の錬金術師 完結編復讐者スカー/最後の錬成』)のリン・ヤオ役でもアクションがすごく多かったんです。 ただ、これまで僕がやらせてもらったアクションは、小賢しい武器を使っている役が多かったというか、トリッキーなアクションが多くて。『仮面ライダージオウ』のウォズのときもストールを投げたらCGで勝手に戦ってくれるとかだったので、変わっていますよね(笑)。 そういう意味でも、信乃のように真っ直ぐな刀を使った殺陣みたいなものはなかったんです。今回はアクションも役柄も新しい挑戦的なものになったな、とすごく思います。 ――初めての殺陣はいかがでしたか? 殺陣は大変でした! ほとんど毎日体を動かしてたんじゃないかというくらい、躍動感のある日々でした。特に八犬士が全員揃って戦いに行く乱戦のシーンは、カメラの画角内で全員が完璧な殺陣を披露しなければいけなかったんです。一朝一夕でできるものではなかったですが、コミュニケーションの連携を取りつつ、いいアクションシーンが撮影できました。 アクションをする上で自分自身のこだわりというのは、そこまで持っていません。作品の中の色を大事にしながら、その中で「ここはもっとこうやれば格好よさそうかもしれない」と思ったときだけ提案させてもらいます。
プライベートのこだわりは、あえて語らない
――こだわりがない、ということがこだわりだったりします? そうかもしれないです。例えば取材で衣装を選ぶことに関しても、プロのスタイリストさんがついてくださっていますよね。専門で学んできた方が「こういう見せ方をしたいときは、こういう衣装がいい」と選んで、マネージャーは僕をどうプロデュースするか考えたうえでその衣装にOKを出すわけじゃないですか。 どんなに自分がいいと思う服があったとしても、そこには僕の自我は入れないほうがいいと判断していますし、「自我を入れない」という自我があります。 ――となると、自分のプライベートのこだわりは……? 実はめちゃくちゃこだわる人間かも(笑)。結構頑固なので、お仕事はプロの方にお任せするようにしています。プライベートでは自分の習慣や所作も含めてかなり気にしているタイプなんですけど、具体例を出すと細かいと思われちゃうので、やめておきます(笑)。 渡邊圭祐(わたなべ・けいすけ) 1993年11月21日生まれ。宮城県出身。2018年「仮面ライダージオウ」で俳優デビュー後、映画『鋼の錬金術師』シリーズ、『三日月とネコ』などの話題作に出演。現在は大河ドラマ「光る君へ」(NHK)に藤原頼通役で出演中。12月13日には映画『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』、2025年3月20日、5月1日には『女神降臨 Before/After』が公開。 衣装クレジット ジャケット81,000円、パンツ49,000円/以上すべてKOH’S LICK CURRO(KOH’S LICK CURRO)、シャツ4,950円/Casper John(Sian PR)、その他スタイリスト私物 問い合わせ先 KOH’S LICK CURRO 03-6427-1405 Sian PR 03-6662-5525
赤山恭子