酷暑のメッカ大巡礼 死者900人超に
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【6月20日 AFP】サウジアラビアにあるイスラム教の聖地メッカ(Mecca)への大巡礼「ハッジ(Hajj)」中の死者が、20日までに900人を超えた。 サウジの国立気象センターによると、メッカの聖モスク(Grand Mosque)では17日、気温が51.8度まで上昇した。 酷暑に見舞われているサウジで数日間にわたって行われるハッジには、世界中から約180万人が訪れている。巡礼者には体が衰えた高齢者も多い。 アラブ外交筋がAFPに語ったところによると、死者はエジプト人だけでも前日の300人超から「少なくとも600人」に急増した。多くは酷暑で死亡したとされる。またエジプト当局には、死者600人を含めた「行方不明者1400人」との報告も届いているという。 各国の発表に基づいたAFPの集計では、これまでの死者数は計922人となっている。 行方不明者の家族らは最悪の事態を懸念しつつ、病院を探し回り、インターネットで情報を集めている。 70代のチュニジア人女性、マブルーカ・ビン・サレム・シュシャナさんは、ハッジ巡礼のクライマックスとされる15日のアラファト山(Mount Arafat)での祈り以降、行方不明になっている。 夫のムハンマドさんによると、シュシャナさんは巡礼者として登録せず、正式なハッジビザを持っていなかったため、冷房の効いた暑熱避難施設に入ることができなかったという。「妻は高齢の女性で、疲れていた。ものすごく暑がっていたが、寝る場所もなかった」「すべての病院を探したが、手掛かりは得られていない」と語った。 フェイスブックなどのSNSには、行方不明者の写真を添えて情報提供を求める投稿があふれている。(c)AFP