地元の祭り参加者に深くお辞儀し支持を求める立候補予定者＝12日午前8時10分ごろ、県内

　衆院解散後初の週末となった12日、静岡県内の衆院選立候補予定者は3日後に迫った公示に向けて慌ただしく動いた。異例の短期決戦となる中、新人は知名度不足を克服しようと街頭やイベント会場を奔走した。ただ、選挙準備との両立は大きな課題で、「時間も人手も足りない」と焦りをにじませる。 　県西部の自民新人は、朝の神事への参列を皮切りに各地の祭り会場を回った。3連休は選挙区内の秋祭り開催ピークと重なる。党員や支持者に届ける印刷物の仕分け、街頭活動の日程調整など事務作業は膨大だが、サポートする党支部や後援会役員、地方議員の大半が祭典の要職を兼ね、特に週末は協力を求めにくい状況。「時間がないのは他陣営も同じ。少しでも認知してもらえるよう、がむしゃらに思いを伝えていく」と眼前の戦いに集中する。 　「一人でも多くの人に支援を呼びかけたい」。県中部の立民新人は朝から精力的に選挙区内を回り、支援者宅にポスターとリーフレットを届けた。準備と知名度の不足は否めないが、「今までやってきたことを続けるしかない」と話す。事務所ではスタッフがポスターの仕分けや、案内状と政党ビラの封筒詰め作業などに追われた。掲示板用ポスターや証紙ビラ、はがきは出来上がったばかり。「公示に向けてできることをやる」と準備を急いだ。 　県西部の維新新人は同日午後、事務所で支援者らを集めた説明会を開き、約10人がテーブルを囲んだ。今後の流れを共有し、短期決戦を迎える態勢を整えた。忙しい合間を縫って地域の祭りにも顔を出したが、人員確保が大きな課題となっている。「自分自身がもっと支援者回りや街頭での呼びかけをしなければならないのは自覚している。ただ、実務的な作業が多く、自分でその対応をしなければならない」ともどかしさを募らせる。 　県西部の共産新人は、静岡市で開かれた党県委員会主催の決起大会出席後、すぐに事務所へ向かい、最近完成したチラシやポスターの準備、街頭活動のスケジュール確認を進めた。「走りながら準備している感じ。すぐに一日が過ぎていく」と選対関係者。事務所は今月に入ってようやく確保した。立候補予定者は「準備が間に合って本当によかった」と安堵（あんど）しつつ、「応援の声は増えている。さらに勢いをつけたい」と表情を引き締めた。