『怪物に出会った日』著者が見た井上vsネリ戦。1ラウンドの「井上、初ダウン」シーンを語る
人生初のダウンと、そこから挽回しての衝撃的なKO劇。2024年5月6日に行われた井上尚弥vsルイス・ネリによる世界スーパーバンタム級4団体統一王座戦は、終わってみれば怪物・井上尚弥の圧勝で幕を閉じた。東京ドームで試合を観戦していた『怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ』著者の東京新聞・森合正範氏と、ボクシング専門YouTubeチェンネル「BOXING and BOXING」運営者(B&B氏)が、試合を振り返りつつ、「井上選手はさらに階級を上げるべきか」「今後、見たい対戦カード」「引退の仕方」などについて語り合った。 【衝撃】メイウェザーをとりまく美女たちがグラマラス過ぎて… ※本文中の写真は井上尚弥vs.ネリ戦のものではありません。ご了承ください。
あまりに強すぎて、相手が弱く見えてしまうジレンマ
BOXING and BOXING(以下、B&B) 森合さんの『怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ』は発売されてすぐに電子書籍で買って読ませていただきました。 まだ、読んでない方も結構いらっしゃると思うので、どういう本なのかを簡単にご説明いただけますか。 森合正範(以下、森合) 私自身、ボクシングがすごく好きで記者になって、井上選手の試合について何度も記事を書く機会があったのですが、井上選手の強さをどうしても表現できない。試合中は取材にもかかわらず、すごく興奮して見ているんですよ。とにかく、とんでもない選手だな、と。 ただ、いざ自分が原稿を書くとなると、その凄さを表現できない。書ききれていないなというふうにずっと思っておりまして。 B&B それは、井上選手があまりに強すぎるが故ということですね。 森合 そうですね。何か対戦相手が弱かったり、咬ませ犬っぽく見えたりするような原稿になっていないかという思いがありました。 そんなときに編集者から、「だったら井上選手の対戦相手を取材してみたらどうですか」という話をいただき、そこから取材が始まりました。スパーリングをした選手を含めて最終的に10人の選手たちから話を聞きました。本の中では井上戦だけでなく、彼ら自身の人生にもスポットを当てています。