「けじめを」離党迫る 田畑氏問題で自民市連・中川氏
●「一緒に活動厳しい」 自民党の田畑裕明衆院議員を巡る不適切な党員登録問題で8日、「けじめをつけていただきたい」と党富山市連の中川忠昭支部長が田畑氏に離党を迫った。富山県連が田畑氏に説明を求めた会合で、本人は離党を否定したが、県議や市議からは「活動がしにくくなっている」と厳しい声が噴出した。 中川氏は党員の不適切登録だけではなく、党派閥の政治資金パーティーの裏金といったこれまでの問題も含めた上で「市連の総意として、けじめを求めた」と強調した。来年に富山市長選や市議選、参院選が控える中、「自民党として活動を一緒にするのは厳しい」と田畑氏を突き放した。 ベテラン県議は選挙への影響を懸念し、「いったん自ら党を離れないと、市民も市議も納得しない」と指摘。一方、別のベテラン県議は厚生労働行政での田畑氏の活動を評価し、「自民党にいるから、できることがある」と擁護した。 橘慶一郎県連会長は田畑氏の県連常任顧問の辞任について、「本人から迷惑を掛けたおわびとして申し出があった」と説明した。 ●橘氏「党員登録の仕組み問題ない」 橘氏は党員登録について、「登録の仕組み自体に問題はない」と述べ、見直しの必要はないとの見解を示した。年末の党員登録の締め切りに向け、県連事務局から各支部に適切な登録に努めるように周知しているという。 ●田畑氏「信頼回復に努める」 8日、報道陣の前に姿を現さなかった田畑氏は9日、富山新聞の取材に対し「政治活動に真摯(しんし)に向き合い、信頼回復に努めていきたい」と話した。 ●宮本氏「党本部は結論得ていない」 宮本光明県連幹事長は9日、報道陣の取材に対し、「党本部は離党勧告を求める大きな事案なのか結論を得ていない。県内の雰囲気を分かっているので、軽んじる訳にはいかないという意見だった」と述べた。