ロシア国立バレエ学校を首席卒業 広島県呉市出身の小浦にこさん 9月からプロのバレリーナ
広島県呉市出身の小浦にこさん(19)が、世界的バレリーナを輩出しているロシア・サンクトペテルブルクの国立バレエ学校「ワガノワ・バレエ・アカデミー」を首席で卒業した。秋にはベラルーシのバレエ団に入り、夢のプリンシパル(最高位)への第一歩を踏み出す。 【写真】卒業試験でジャンプする小浦さん(本人提供) すらりと長い手足に輝く瞳。12日に呉市であった発表会で、バレエ教室の後輩や保護者に高くしなやかなジャンプを披露した。 母親の勧めで3歳からバレエを始め、川尻中卒業後にプロを目指し単身、バレエ大国のロシアに留学。ロシアで最高峰の同校では毎年数千人が受験し、合格者は約70人。8学年計約500人のうち卒業できるのは半数ほどという。 寮生活で休みは日曜だけのバレエ漬けの生活だったが「全員がプロの卵。体格と才能に恵まれた子ばかりで刺激を受けた」。162センチと校内では小柄ながら努力と技術でカバーした。 3歳の時から教室で指導する広島県熊野町の古江幸江さんは「レッスン後も1人で黙々と自主練習を続けていた努力家」と評する。脚の筋肉と踏み込む力を鍛えるため、毎日5千回のジャンプを欠かさず、回転や柔軟性にも磨きをかける。 卒業試験の結果はトップで、クラシックやペアのデュエットなど全5分野で満点を得る完成度の高さだった。ロシア人以外の生徒が首席で卒業するのは異例という。 現地での生活はもうすぐ5年。新型コロナウイルス禍やホームシックなど困難な時期も乗り越えた。9月からはベラルーシの国立ボリショイ劇場バレエ団でプロとして活動する。「プリンシパルになって大好きな『ロミオとジュリエット』で主役を演じたい。壁は高い方が燃えます」。夢に向け飛躍する。
中国新聞社