「朝食はパンだけ」「疲れた脳に合格ラムネ」では志望校に合格できない…栄養士が勧めるパンとお菓子の種類
■パン好きな子に「パンはダメ」ではなく、この食材を では、どんな食事が血糖値スパイクを起こし、脳の働きを低下させるのか? その筆頭が、朝食に小麦粉のパンだけ、もしくはトーストにジャムを塗っただけ、という食事です。ほかには、うどんだけ、パスタだけ、ピザだけ、カレーライスだけ、ラーメンだけ、ファーストフードだけ、丼ごはんだけという食事。前述したように、スナック菓子やジュースを間食にとることもその原因になります。 つまり、炭水化物ばかり、あるいは大量の炭水化物を一度にとるような食べ方は、血糖値スパイクを引き起こしてしまうのです。 ときどき、「健康管理のために毎朝野菜ジュースを飲んでいます」という人がいますが、市販の野菜ジュースには、糖質がたっぷり含まれる商品が少なくありません。 急上昇した血糖値は、必ず急降下します。それにともなって、脳の働きも低下していき、思考力・集中力が落ちるだけでなく、思考もネガティブになっていきます。 とはいえ、パン好きな子に「パンはダメ」と禁じるのも、ストレスになってよくありません。最近は、白い小麦粉ではなく、全粒粉やまったく別の材料を使ったパンや麺類が増えました。 全粒粉の場合、グルテンは含まれてしまいますが、真っ白に精製された小麦粉よりは、血糖値はゆるやかに上がります。 アーモンドパウダーや大豆粉などでつくったパンや麺類ならば、糖質とグルテンの摂取量を抑えられます。本書では「おから蒸しパン」「卵チーズパン」のレシピを掲載しています。簡単につくれますから、「朝はパン派」の人は、ぜひチャレンジしてみてくださいね。 ■「合格ラムネ」「合格キャンディ」は依存性を高める 「合格ラムネ」「合格キャンディ」……。 受験シーズンに入ると、コンビニエンスストアなどには「合格」「必勝」と銘打ったお菓子類が並びます。大学受験では、受験当日に会場の前で、先生がラムネや飴を「がんばれ!」と配っている、という話もよく聞きます。 実際、勉強中にラムネや飴を口にする受験生も大勢いることでしょう。 しかし、ラムネや飴は、血糖コントロールの大敵です。あんなに小さな粒なのに、血糖値スパイクを引き起こしてしまうからです。 たしかに、ラムネや飴を口に入れた瞬間は、血糖値がガッと上がるため、幸福感を得られます。気分が上がり、やる気が出るように感じるでしょう。 しかし、ガッと上がった血糖値は、すぐに急降下を始めます。血糖値が下がっていくとき、気力も落ちていきます。低血糖になると疲労感や眠気に襲われます。それでもがんばって勉強しようとすれば、イライラして、集中できなくなります。 そんな最悪な気分を変えたくて、再びラムネや飴を口にするでしょう。すると、血糖値がガッと上がります。ですが、血糖値が上昇すれば、すぐに低下するのです。 こうしたことを何度もくり返していると、どんなことが起こると思いますか? ラムネや飴がないと、勉強しようという意欲を保てなくなるのです。 脳は、糖質をとることで幸福感を得られることをよく覚えています。糖質が与えてくれる幸福感とは、脳にとってまさに快感。その感覚を強烈に覚えていて、ブドウ糖が多いものを口に入れるように促すのです。 そして、今度は甘いものがないと、がんばれないという気持ちをつくり出します。脳がブドウ糖に依存性を高めている状態です。 こうなると、甘いものをつねに口に入れていないと、脳が働かないと本人が感じるようになります。