合言葉は「Fly! TAKUMI」 32歳〝博多のミスタービーチバレー〟最終決戦、三度目の正直でつかんでみせるパリ切符
好きな言葉は「人生日々笑歩」
高尾コーチと共有するテーマは「ゲームの支配」―。2対2で戦うビーチバレーの試合で常に意識するのが「2―1」の数的優位の状況をつくることだ。「フェイクを効果的に交えながら相手ブロッカーを私と池田選手のコンビネーションで崩していく。そういう試合運びができれば」。手応えはつかみつつある。 普段練習している「シーサイドももち海浜公園」の浜辺には、ふらりと観光客もやって来る。「博多湾に面した百道浜(ももちはま)という場所なんですが、人気の観光スポットなので人も集まりやすく、身近にビーチバレーを楽しめるんです。コートもあるので、貸してあげたボールで楽しそうに遊んでいる姿を見ると、うれしくなります」。気さくな性格もあり、ふらりと入った居酒屋でも店員や客と意気投合するという。「食事もおいしいし、人も優しい。博多の水が合っています!」。すっかり第二の故郷になっている。 「まだまだマイナースポーツなので『ビーチバレーを初めて知りました!』とか『近くで試合を見たい!』といった声が励みになります。そういった声を増やしていくためにも勝たなければいけませんし、応援される選手になりたい」。道は険しくても、好きな言葉「人生日々笑歩(しょうぶ)」を胸に言い聞かせ、全力で切り開いてきた。パリへのフライト準備は万全。両翼を広げ、32歳の夢追い人が福岡から羽ばたく。 (西口憲一)
西日本新聞社