なにわ男子が「勇気100%」を歌う意味 王道アイドルを貫く7人だからこそ伝わる楽曲のパワー
なにわ男子が歌うことで、歌の価値や力を今一度噛み締めることができる
「勇気100%」を聴くと、彼らがひたむきに歩んできた歴史が歌声や歌詞を通して伝わってくる気がする。いつも明るくパワフルで、見る者を笑顔にさせるアイドルでいるには、自分たち自身も笑顔を浮かべていなければならない。イントロの後に続く、〈太陽みたいに笑う/きみはどこだい〉と問いかける歌詞。目を伏せたくなるような現実を目にしても、〈夢はでかくなけりゃ/つまらないだろう〉と己を奮い立たせ、今日まで走ってきた。〈もうがんばるしかないさ〉〈もうやりきるしかないさ〉――。キラキラの裏で何十倍もの努力を重ねてきた彼らだからこそ、穏やかさの奥にたぎる強い覚悟が感じられる。 改めてこの楽曲を聴いてみると、子ども以上に大人にグッとくる歌詞なのではと感じるほど、胸が熱くなる。年齢を重ねると、幼い頃のように無邪気に笑うことにためらいを感じてしまうことも少なくない。気持ちがかげってしまいそうなとき、なにわ男子の透き通ったハーモニーに触れると、本来自分の中に持っている輝きを引き出してくれるような心地よさを感じ、胸の中に春風がそよぐ錯覚さえ覚える。 老若男女、幅広い世代から絶大な支持を集めるなにわ男子。そんな彼らがこの楽曲を歌い上げることで、当たり前のように見知っていた当楽曲の歌詞やメロディを改めて噛み締めるきっかけになっているのではないか。そしてじっくり聴くことで、この曲から大きなな勇気と元気を受け取る人が、この先もっと増えていくのだろうと、筆者は考える。映画公開に先立ち、すでにサブスクでも楽曲は配信されているが、ぜひ劇場に足を運んで主題歌の「ありがとう心から」とともに彼らの歌声に浸りたい。 ※1:https://mdpr.jp/interview/amp/4451624
神田佳恵