日本シリーズの行方は、互いのトリプルスリー攻略にあり
プロ野球のドラフト会議が終了。明日、24日から野球界最大のイベント、日本シリーズが、ソフトバンクの本拠地、ヤフオクドームからスタートする。ソフトバンクか、ヤクルトか。 阪神2軍監督就任の決まった評論家の掛布雅之氏と、元千葉ロッテの里崎智也氏の2人に予想を聞いた。両者共に4勝2敗でソフトバンクの勝利。そろって先発投手の力量差を理由に挙げた。 「ソフトバンクの有利は動かない。打線は5分でも先発の質が違う。ヤクルトは、石川、小川、館山に続く、杉浦、石山が弱い。当日の調子に左右される。一方のソフトバンクは、武田、バンデンハーク、中田に続き、CSで投げていない攝津、スタンリッジが控えていて、短期決戦用の中継ぎに千賀が加わったのも大きい。ヤクルトは、5回2点、6回3点をノルマに先発がゲームを作らねば厳しい展開になる。打線のキーポイントは、2人のトリプルスリーの出来。特にヤクルトは、畠山の後を打つバレンティンがCSのような内容だとソフトバンクの投手陣は楽になる」とは、掛布氏の読み。 里崎氏も、「ソフトバンクが有利でしょう。先発、中継ぎも含めた投手陣の層の違いですね。逆の視点から見れば、勝敗の鍵になるのは、山田、柳田をどう抑えるか。彼ら2人を止めれば、いずれの打線も線を点にすることができます。ただトリプルスリーの厄介なところは、四球で歩かせると、走られてしまうこと。状況によっては歩かせてもいいよ、という戦略が使えません」と、先発の出来と、その裏表でトリプルスリーの攻略の是非が勝敗を分けると見ている。 今季の交流戦対決は、ヤフオクドームで行われた3試合だったが、ソフトバンクの2勝1敗だった。初戦は、内川、イデホ、柳田、松田の本塁打攻勢で“ライアン”小川をノックアウト。2戦目は、5回まで、石川とスタンリッジの投手戦だったが、畠山の3ランで勝負をつけた。3戦目は、先発の石山をソフトバンクが序盤から攻略して5-2のスコアだったが、この3試合、1番で起用されていた山田が寺原から一発をぶちこんでいる。 山田、柳田のそれぞれが、1本塁打を放っているが、対ソフトバンク、対ヤクルトの打率そのものは、山田が.231、柳田が.222と低くかった。だが、柳田が本塁打を浴びせた小川は不調が続いていた時期だったし、山田も、打順が1番で、打率も3割をギリギリキープしていた頃。交流戦データを、そのまま日本シリーズに当てはめるのは暴論だろう。