左足を痛めていた柳田は、CSのファイナルステージに間に合ったし、さらに3連勝で決め、日本シリーズまで十分に回復時間を作れたのは大きい。逆CSシリーズ男になる危険性があった山田も、対巨人の2試合目にして覚醒。日本シリーズ進出を決めた試合でもセカンドとライトの間にポトリと落ちるラッキーな当たりだったが、タイムリーにつなげてプレッシャーからは解放された。65年ぶりに2人同時誕生となったトリプルスリー対決に山田自身は、「向こうの方が全然上」と、柳田に敬意を表しているが、掛布氏、里崎氏が示すように、この2人が打つ、打たないが、大きく勝敗に影響を与えそうだ。 　では、それぞれの攻略法はあるのだろうか。 　掛布氏は、「あえて探せば、山田は高めのゾーンに弱いところがある。ピッチャーからすれば失投がホームランになる怖いゾーンだが、バンデンハークのような球威のあるピッチャーが、そのゾーンを攻めて抑えこめば、逆シリーズ男になってしまう危険がある。柳田は、フルスイングもすれば、軽打もある。ヤクルトバッテリーが駆け引きをうまく使いながら、どう狂わせるか、でしょう」との見方。 　里崎氏は、「2人に決定的な弱点はありません。それがあればトリプルスリーは成し遂げていないでしょう。ただ、短期決戦だから、ピッチャーによって、このボール、このコースが通用するというものが出てきます。ひとつ、それを見つけたら徹底的にそのボールをこれでもかと信じて使い続けることでしょう」と、配球のヒントを語った。 　初戦の先発予想は、ソフトバンクが武田で、ヤクルトが左腕、石川。共に就任1年目監督対決となる日本シリーズの行方は、果たして。