地震に備え犠牲者ゼロへ 三浦名誉教授が防災・減災講演会 宇部日報20周年&連載200回記念【宇部】
宇部日報発刊20周年と三浦房紀山口大名誉教授の小紙での連載「防災徒然日記」が200回に到達することを記念した防災・減災講演会「南海トラフに備えて-犠牲者をゼロにできる」とシンポジウムは7日、市多世代ふれあいセンターで開かれた。市内外から集まった250人が、三浦名誉教授による基調講演とパネリスト4人によるシンポジウムを聞き、災害に対して備える意識の重要性を再認識した。 基調講演は、8月8日に発生した日向灘を震源とするマグニチュード(M)7・1の地震をきっかけに初めて発表された南海トラフ地震臨時情報の話題からスタート。西日本の地震活動は活動期に入っており、過去の歴史から見ても、南海トラフ地震はそう遠くない将来に必ず起こると述べた。 想定では3分以上強い揺れが続く可能性が高いとした一方で、宇部市は震源から最短でも220㌔以上離れており、緊急地震速報が出されてから強い揺れが来るまでは30秒はあると示した。
三浦名誉教授は「揺れが来るまでの数十秒で安全な所へ移動することが大事。津波到達は早くて発生後2時間半なので、逃げる時間はある。誰一人取り残さない避難計画を立て、死傷者をゼロに抑えることが、地震後の復興支援につながる」と語り、事業所、家庭それぞれで災害時の事業継続計画を立てることの重要性を訴えた。 シンポジウムは「宇部地域での地震、自然災害への備え」がテーマ。防災士資格を持つ網木政江さん(山口大地域レジリエンス研究センター学術研究員)、山木志仁さん(NPO法人防災ネットワークうべ副理事長)、工藤美佐さん(市こども政策課こどもコーディネーター)、弘中秀治さん(市行革推進課課長)の4人が、それぞれの立場から災害への備えについて語り、防災へのアドバイスを送った。