芸能人や美容師らの間で評判 めっき加工のくし、静電気起きにくく滑らか 信州の企業が製造
めっき加工の塚田理研工業(駒ケ根市)が、自社のめっき技術を生かして製造するくし「LOVE CHROME(ラブクロム)」の販売が好調だ。プラスチックの表面のめっき処理により、髪をとかす際も静電気が起きにくく、使い心地が滑らか―と芸能人や美容師らプロの間で評判に。駒ケ根市のふるさと納税の返礼品にも採用され、人気を集めている。
同社は自動車部品のめっき加工が主力。技術を生かして独自製品を開発しようと、くしに着目した。下島聡社長の義妹が営む美容商品製造販売のワイシー・プライマリー(東京)に試作品を提供したところ使い心地が好評で、同社のブランドと販売網を生かして2011年に発売した。
塚田理研工業がプラスチックで成形し、表面を銅、ニッケルなどの金属で覆うことにより、静電気が起きにくくなる。摩擦も少なくなるため、くし通りも良くなるという。
11年の販売数は月平均261本。その後、タレントの田中みな実さんら有名人が紹介するなどSNS(交流サイト)で評判が広がった。23年は売り上げが急増し、月平均3万1853本を販売。全社売上高の5%程度を占めるまで成長した。
形状や金属により29種類あり、価格は税込み3960~1万6280円。駒ケ根市のふるさと納税の返礼品に採用されて以降、返礼品サイトのランキングで上位の常連だ。下島社長は「めっきに思いがけない付加価値があることが分かった。この機能を生かした商品を少しずつ増やしていきたい」と話している。