CRYAMY全国ツアー『人、々、々、々』【対談⑥】CRYAMY・カワノ×時速36km・仲川慎之介
1月から始まり、早くも折り返し地点が近くなったCRYAMYのツアー『人、々、々、々』。その終盤、3月20日の福島・club SONIC iwakiと日比谷野音ワンマン前の対バンツアーファイナルである4月14日、北海道・札幌SPiCEで彼らと対バンするのが、時速36kmである。初期から対バンを繰り返してきた盟友同士のツーマンが熱いものになるのは間違いないが、そのライブを前に、CRYAMY・カワノと時速・仲川慎之介のふたりにお互いのことを改めて語り合ってもらった。なぜ彼らは惹かれ合い、リスペクトを向け合うのか。それぞれの道で前進を続ける2組の交点を、この対談から感じ取ってもらえたらうれしい。 【全ての画像】CRYAMY・カワノ×時速36km・仲川慎之介 撮りおろしカット(全20枚) ── CRYAMYのツアー、ファイナルで対バンするのが時速36kmということで。もう盟友といっていい2組だと思いますが。そもそもはどういうところから関係が始まっていったんですか? 仲川 最初は2018年の「TOKYO CALLING」だったかな。当時「地下室タイムズ」ってメディアがあって、そこで紹介してもらっていたバンドが出るステージがありまして。そこに時速36kmもCRYAMYも出ていたんです。CRYAMYのことはこっちも知ってはいたんですけど、初めて対バンすることになって。それで楽屋で最初ばったり会ったんですよね。カワノがひとりでいる楽屋に俺が入っていったら、カワノが「お、見てくださいよ」って局部をみせてきて……。 ── ははははは! 仲川 「よろしくお願いします」とかもなく、初手からそれだった(笑)。「どうすか?」みたいなノリで。それで「あ、ああ……」みたいな返しをしたら、カワノは「なんだこいつ」みたいな感じで。 カワノ あんまりウケなくて怒っちゃったんですよね。 ── それはどういうことだったんですか? かますつもりだった? カワノ いや、僕ももちろん時速のことは知ってたので、仲良くなろうと思って。でも「よろしくお願いします」じゃちょっと印象に弱いなじゃないですか。だからコミュニケーションの一環として露出した、と。でもそれが通用しなくて「なんだこいつは」みたいな。おかしな話なんですけど。 仲川 こっちも音源聴いたりMV見たりして、やっぱり怖いやつだっていうイメージがあったんですけど、その矢先にそれだったから、「こいつ、わかんねえな」みたいな。 カワノ それがでも、ファーストコンタクトだったね。 仲川 でも、音楽を先に知っていて、いいよなと思っていたから。いつからちゃんと打ち解けたのかはちょっとよくわからないけど、だんだん仲良くなりました。 カワノ 僕も曲が好きだったので、もともと。その日のイベントでもライブを観たっていうのもあって、仲良くなりたいなっていう気持ちがあったんですよね。 ── インパクトのある出会いでしたけど、知り合っていく中でカワノさんという人の印象も変わってきました? 仲川 後々思ったのは、結構何層にもなっている人だなっていう。初めて会ったときから「なんだこいつ」と思いつつ意外に怖くないというか、気さくにコミュニケーション取ろうとする人なんだなって思ったんですけど、そこから何回か会っていくうちに、この気さくさっていうのはナイーブさの裏返しだっていうことにも気づくようになり。「本当はこいつ、誰のことも好きじゃねえな」っていうのを思ったのが第2層で、そこからまたコミュニケーションを続けていくと、「こいつは誰のことも好きじゃないんじゃなくて、一部の人をめちゃめちゃ大事にするために、誰のことも好きじゃないような精神性を保っているんだろうな」って思ったり。一見ピエロっぽく見えるんですけど、ピエロであるがゆえの性質というか、奥底は本当に深くてわかりづらくなってて、でも最後まで覗いたら意外とピュアなところを持ってて、みたいな。ピュアすぎるがゆえに、自分を守るために何層も重ねているみたいな感じですかね、こいつは。本当は誰よりもピュアだけど、ピュアであるがゆえにヨゴレを演じ続ける。そういうイメージですね。 カワノ ピエロとして振る舞うっていうのはまさしくその通りで、わりとそういうふうに振る舞った方が僕は楽というか。それは未だにある。