【ライブレポート】ももクロ、冬恒例の『ももいろクリスマス』開催!新しい試みを盛り込んだ“体感型ライブ”
■玉井詩織は、2025年5月6日に日本武道館でソロコンサートを開催! ももいろクローバーZの冬恒例のクリスマスライブ『ももいろクリスマス(通称:ももクリ)』が、12月21日・22日の2日間、埼玉県のさいたまスーパーアリーナで開催された。 【画像】ライブの場面写真(全20枚) 2024年のタイトルは『ももいろクリスマス2024-HOLY 4D NIGHT-』。今回は、ももクリでおなじみの定番のクリスマスソングや冬曲はもちろんのこと、ライブ初披露となる楽曲や数年振りに披露される初期曲やレア曲などバラエティに富んだセットリストに。さらに、視覚・聴覚・触覚・嗅覚を刺激するような様々な新しい試みも盛り込まれ、まさに“体感型ライブ”という新しいももクリの形と可能性を提示するライブとなっていた。ここでは、「ABEMA PPV(アベマ ペイパービュー)」で独占生配信されたDAY2の模様をレポートする。 ■ライブレポート 2024年もまずはオープニング映像で幕を開けたのだが、今回はドラマ仕立てのストーリーになっており、ももクロの4人がカフェで2024年のももクリのアイデア会議を行っているシーンからスタート。結局、良いアイデアは生まれず、宿題として持ち帰ることに。一人ひとり帰路につくなかで、それぞれが2024年のももクリを構成するキーワードにたどり着くというストーリーなのだが…。気付くと、4人は故障したエレベーター内に閉じ込められていた。そして、「22」というボタンを押して、ももクリDAY2当日の12月22日へとタイムリープしてくるという設定だ。実際にステージ中央に設置されたエレベーターが光り輝き扉が開くと、キラキラ感のある華やかなメンバーカラーの衣装を纏った4人がエレベーターを降りてステージへと登場してきた。 4色のペンライトで埋め尽くされた会場から、モノノフ(ももクロファンの呼称)の大歓声が上がるなか、1曲目に歌われたのは「WE ARE BORN」。ももクリとしては意外な選曲での幕開けとなった。続く2曲目は「MONONOFU NIPPON feat. 布袋寅泰」。7人のサンタ姿の女性ダンサーも加わり、派手な照明と火柱の演出にも煽られて、モノノフのコールが爆発。あらたなももクリの始まりを予感させる冒頭2曲で、会場のテンションは一気に高まっていった。 ここで早速、最初のMCパートへ。4人それぞれの自己紹介を経て、今回のももクリのテーマやオープニング映像の説明へと続く。さらに、ここで今回の演出の目玉でもあるライブグッズ<4Dコントロールライト>の説明も。2024年の春に行われた玉井詩織のソロコンサートでも採用されていたペンライトの色を制御する演出が組み込まれており、実際に会場を赤一色、黄色一色、ピンク一色、紫一色に染めるテストを行ったあと、4色をランダムに高速変化させたり、虹色に高速変化させたりすると会場からは驚きと感嘆の声が上がる。モノノフが新しいももクリの可能性を改めて実感した瞬間でもあった。 続いては、コールレクチャー動画を事前に公開して挑んだ5月リリースの最新アルバム『イドラ』収録曲「桃照桃神(モモテラスモモミカミ)」へ。レーザーや制御ライトが美しく光り輝くなか、インパクトのある漢字の熟語や単語の歌詞がステージ後方のLEDビジョンに次々と表示されると、モノノフも覚えたてのコールで応えていく。ステージ上がスモークに包まれ、ドラの音で曲が終わると大歓声が上がり、ももクロの新アンセム誕生を予感させるようなパフォーマンスとなった。続いて、玉井詩織が全編英語詞のソロ曲「Spicy Girl」を披露。2024年はグループ史上初めてメンバー4人全員がソロコンサートを開催するという稀有な1年だっただけに、ももクリにもソロパートが組み込まれるのは納得の演出。まずは玉井がその口火を切った形だ。ここで、制御ライトやレーザーなど<光>の演出に拘った最初のブロックが終了。玉井がエレベーターの中に戻ると、再び映像パートが進んでいく。 ソロパートを終えた玉井を他の3人がエレベーターに迎え入れるところから、再び映像パートが始まると、ここで高城が誤って「25」を押してしまい、次のブロックへ。 会場の制御ライトが赤一色に染まるなか、客席後方から百田がトロッコに乗って登場して歓声が上がると、百田がアカペラで歌い始めたのは「JUMP!!!!!」。すると、メンバー3人もアリーナ前方後方の角にトロッコに乗って登場。4人は曲に合わせてジャンプとファンサをしながら、トロッコで移動していく。そして、曲が終わるとアリーナ中央に4人を乗せたトロッコが集結。次の「ザ・ゴールデン・ヒストリー」では、それぞれがハンディカメラを持ち、4人が撮影した客席のモノノフの様子がビジョンに次々と映し出されていく。ときに自撮りをしながら、メンバー同士を撮り合いながら、4人が1台のカメラに収まりながら歌っていくという、何ともももクロらしいワチャワチャ感も飛び出した。さらに、テレビアニメ『ポケットモンスター ベストウィッシュ』のエンディングテーマとなっていた「みてみて☆こっちっち」を披露。この曲は2024年のファンクラブイベント『ももいろクローバーZ 16周年ファンクラブイベント ~あつまれ、エンジェルアイズ!~』でも披露され、大いに盛り上がった1曲だ。 再び4人がトロッコに乗ってメインステージに戻ると、高城の様子がちょっとおかしい…。サンタ帽にサングラス、白髭というコスチュームでステージに無言で立っていたのだが、その後、その高城は偽者だと判明。会場内に本物の高城の声のみが流れると、「れにちゃんを探せゲーム」という企画コーナーへと突入していく。客席内に巨大なプレゼントBOXが3つ登場し、その中のどこかに高城が入っている? ということで一気に開けるのだが、高城の姿は見当たらず…。この茶番がどんなオチへ向かうのかと誰もが不思議に思っていると、ビジョンには、さいたまスーパーアリーナのエントランスに置かれた雪だるまが映し出され、中から満面の笑みを浮かべた高城が登場するというサプライズ演出に。そして、客席後方からアリーナに登場した高城が再びトロッコの上に立つと、先日、横浜赤レンガ倉庫で開催された『毎日がクリスマス 2024 -15th Anniversary-』で初披露された高城のソロ曲「Sing! Swing! X’mas!」をパフォーマンス。トロッコで移動しながら歌唱し、最後に「メリークリスマス! このあとも盛り上がっていきましょう!」と締め括ると、「JUMP!!!!!」からスタートしたももクロとモノノフの<笑顔>溢れる一連のブロックが終了した。 ここで再び映像パートに。DAY1でもカオスな展開でモノノフを驚かせた佐々木のターンだ。佐々木がみんなの乗っていたエレベーターを吸い込み、そして、吐き出すとエレベーターは電子レンジへと変化。そこに色々な食材を入れ込んで調理していくのだが、出来上がったのはハンバーガー。佐々木がハンバーガーを手にしたところで映像は終了し、佐々木のソロパートがスタートする。 衣装チェンジした佐々木はダンサーを従えて登場すると、ソロ曲「My Hamburger Boy(浮気なハンバーガーボーイ)」を披露。曲に合わせて、会場内には香ばしいベーコンの香りが漂ってくる。続いて、ポップでカラフルな映像をバックに、同じく衣装チェンジした3人が合流すると3分間ぴったりで展開されるパーティーチューン「HOLIDAY」へ。続くMCパートで、ベーコンやハンバーガーの香りを表現した演出の種明かしをすると、驚いたモノノフも多かったようだ。そして、最新アルバム『イドラ』から、始まりのセリフとかわいらしい振り付けが印象的な「Friends Friends Friends」。さらに、“佐々木彩夏with ももメイツ”名義で発表されていた「ヘンな期待しちゃ駄目だよ…?♡」という清竜人楽曲を2曲続けて披露。この曲では会場にチョコレートの香りが充満して、曲の甘い雰囲気をより高める効果を発揮。4Dならではの<香り>の演出が取り入れられたブロックとなった。 再びエレベーター内の映像パートに戻ると、百田が次に押したボタンは「23」。12月23日の雪景色の中へとワープ。王道のももクリ感を堪能できる冬曲ブロックへと突入していく。LEDビジョンに舞い落ちる雪の結晶や街のイルミネーションが映し出されるなか、「今宵、ライブの下で」からスタートすると、百田のセリフ「ここにいるよ ずっとここにいる」で大歓声が上がり、クリスマス感が一気に高まっていく。続いて、クリスマスバージョンの「Hanabi」。ステージ後方のLEDビジョンが大きく4分割されると、終始4人の顔がアップで映され続ける。ブルーの照明とペンライトに照らされるなか、クリオネを表現したような白の衣装も相まって、天使みを感じる推しの表情を一瞬たりとも見逃すまいと見つめるモノノフの姿がとても印象的だった。そして、暗転後、美しいピアノのイントロが流れ出すと冬の街の映像へと切り替わり「空のカーテン」へ。4人はステージ中央の高台に座った状態で歌い繋いでいく。ミラーボールが回るなか、オーロラを表現した映像をバックに4人が浮かび上がるような美しい演出となったのだが、このブロックはまさに「THEももクリ」といった選曲の妙と<雪>の演出が映える尊いブロックに。モノノフそれぞれが過去のももクリの自身の思い出とリンクさせながら聴いていたに違いない。間違いなく、多くのモノノフにとって最も心に残る2024年のももクリのハイライトとなったことだろう。 次のMCパートでは、ここまでのブロックのネタバラシ的なトークを展開。最初の映像で4人それぞれが2024年のももクリのためにたどり着いたテーマについて、玉井が<光>、高城が<笑顔>、佐々木が<香り>、百田が<雪>という4つだったこと。そのコンセプトに沿って、ここまで4つのブロックで構成されてきたことが明かされた。そして、制御ライト演出の終了を告げると、話題はそれぞれのソロパートの話になり、最後のソロパートとして百田が8人のダンサーとともに「クリスマスしよ♡」を披露する。曲の後半からはメンバー3人も加わり、ワチャワチャとしたパーティー感も演出。多幸感溢れるクリスマスブロックを締め括ると再び映像パートへ。 映像では、エレベーター内の4人がここまでの4つの演出テーマを振り返り、最高のクリスマスになると確信すると、「24」のボタンを押して最後のブロックへ。 ももクリDAY2ラストブロックは、新旧の人気曲が並ぶライブパートに。クリオネをイメージしたオーバードレスを脱ぎ、4人それぞれが異なるデザインの衣装にチェンジすると、夏フェスやロックフェスでも定番となりつつあるタオル曲「BLAST!」からスタートした。サビでタオルを回して一体感が生まれると、打ち込みのサウンドに乗せてエモーショナルに展開する「momo」へと続く。曲の展開ともマッチして、ギラギラなレーザーの演出が冴えわたる。そして、最新アルバム『イドラ』収録曲「Heroes」に続くと、本編最後はももクリを象徴する1曲「白い風」。この曲が聴きたくてももクリに参加しているというモノノフも多く、また、百田の落ちサビからの大サビをももクロ史上最も美しいと評するモノノフもいるほどの人気曲だ。白い光と雪の演出も加わり、ももクリらしい最高のフィナーレを迎えた。 そして、最後の映像パートへ。DAY1ではエレベーターが宇宙空間に飛んでいくというハプニングで終わったのだが、DAY2では4人が「メリークリスマス!」と叫んで「25」のボタンを押し、会場からの大きな拍手に包まれながら、本編は無事に終了した。 その後、4色のペンライトで染まる会場からアンコールが沸き起こるなか、ビジョンにはコールを送るモノノフの姿が次々と映し出されていく。ファミリー席のサンタ姿のチビノフが映し出される度に、会場内が温かく優しい空気に包まれていったのが印象的だった。久しぶりのワンマンライブということもあり、アンコール直前のこうしたおなじみの光景にほっこりさせられた人も多かったことだろう。 鳴りやまないアンコールに応える形でいつもの「overture ~ももいろクローバーZ参上!!~」が流れ出すと、待っていました! とばかりに、モノノフは再び戦闘モードに。本気のコールが場内に響きわたるなか、4人が再びメンバーカラーの衣装でステージに登場すると、「レナセールセレナーデ」と「やわく恋して ~ずっと僕らでいられますように~」という2024年にリリースされたシングル曲を立て続けに披露。モノノフの間からは、やっと生で聴けたという喜びに満ちた空気も伝わってきた。 最後のMCパートでは、DAY1とは異なる結末を迎えた映像パートを振り返り、最高のクリスマスにたどり着けたことを祝福し合うと、玉井からあらたな情報解禁が。2025年5月6日に、日本武道館でソロコンサートを開催することをサプライズ発表した。2025年もソロ活動を含めた大きな動きがあることを知り、タマノフのみならずモノノフ全員が歓喜していたようだ。 そして、百田が「もう一度、みんなの近くに行くので、まだまだ盛り上がっていきましょう」と呼びかけると、ももクリには欠かせない「僕等のセンチュリー」へ。再びトロッコでファンサをしながらアリーナを回ると、最後は百田の「せーの! メリークリスマス!」のかけ声から「サンタさん -ZZ ver.-」へと続く。曲の中盤、ライブを盛り上げたダンサーの紹介パートを挟み、メンバーがトロッコからメインステージへと戻り、最後は銀テープが飛び出すなかで、2日間のあらたなももクリは大団円を迎えた。 ももクロのワンマンライブとしては、実に8ヵ月ぶりとなった今回のももクリ。4人全員がソロコンサートを行い、ニューアルバムをリリースした2024年の集大成感を出しながらも、様々な演出にトライした新しいももクリ像を打ち出した。初体験のももクリを味わえるシーンもあったが、過去のももクリの思い出とリンクするようなシーンもたくさん盛り込まれており、モノノフにとって満足度の高いライブとなっていたのではないだろうか。今回はアリーナ後方席でも、スタンド席の最上段でも楽しめるようなLEDビジョンの大きさと映像演出も魅力のひとつに。そして、今回改めて「生で観る4人のももクロのワンマンライブの楽しさ」を再認識、再確認したモノノフも多かったことだろう。 2024年もあと1週間ちょっとで大晦日。恒例の『ももいろ歌合戦』で2024年を締め括ると、年明け4月には、恒例の『春の一大事』もまたやってくる。2025年の開催地は新潟県新発田市。大晦日に日本武道館とお茶の間に笑顔を届けたももクロは、2025年の春一でまた全国に笑顔のリレーを繋いでいく。今回のももクリは、ももクロの笑顔の天下統一へのストーリーが今なお続いていることを改めて思い知られた単独公演だったのではないだろうか。2025年も百田がソロツアーを開催し、玉井は日本武道館でのソロコンを開催。高城は2ndソロアルバムの発売とZeppソロツアーの開催が決定している。佐々木にも毎年恒例のソロでの動きがきっとあるだろう。佐々木が総合プロデューサーを務める浪江女子発組合の新体制の動きにも注目だ。2025年も引き続き、ソロでの活動により進化をみせつつ、最強の4人が揃った時にはまた今回のももクリのような笑顔の連鎖を生み出す圧倒的で絶対的な多幸感溢れるステージを見せてくれることだろう。2025年のももクロの動きにも期待していてほしい。 TEXT BY ATSUSHI OINUMA (C)キングレコード
THE FIRST TIMES編集部