「あなたの人生でいちばんの瞬間は?」スタンフォード大学の学生が気づいた人生最良の瞬間
---------- 全米を代表するエリート大学の学生たちが、死を身近に感じるレッスンを受けることで、自らも語り、そして変容し成長していく。実際の感動の授業を再現。 スティーブン・マーフィ重松氏は、スタンフォード大学でマインドフルネスやEQでグローバルスキルや多様性を高める専門家として知られる。そんな著者の『スタンフォード大学 いのちと死の授業』から、すべての年代の人々へ向けて「よりよい生き方」へのガイドとなり得る章をご紹介します。 前編記事<スタンフォード大学で周囲の期待に押しつぶされそうな生徒を救った授業> ---------- スタンフォード大学で周囲の期待に押しつぶされそうな生徒を救った授業
自分の人生を「恵まれている」と感じる
前編に引き続き、これまでの授業の振り返りをみんなでシェアしました。そのいくつかを紹介しましょう。 ---------- ジョージ 何がうまくいかないかに真剣に向き合い、そこから成長する10週間でした。私はクラスがこんなに「リアル」であり、生き生きとしているものになるとは予想していませんでした。クラスのセッションのどこでも難しい話題を避けたことはありませんでした。 PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されて以来、私は自分の人生を孤独な旅として物語りがちでした。しかし、クラスメートがもたらした率直な議論、および私たち全員が互いに共有した親密さと脆弱性は、私が人生を見る方法を変え、私自身を解放し、希望を見つけました。喪失、許し、トラウマ、アイデンティティに関する素晴らしい知識を見つけました。 そして、私は今、終末医学と仏教の聖職者への新しい人生の道を歩んでいることを確信しています。私は今、恵まれていると感じています。ありがとうございます。 ---------- ルイーズ 私は自分自身との調和が以前より取れていることに気づいています。奇妙なことかもしれませんが、今まで私は自分自身を自律型の機械のように見ることがありました。仕事をこなし、用事を済ませ、責任を果たす機械。でも授業で私は、止まること、呼吸すること、存在することを学びました。 このクラスは私に人生の新しいツールを提供してくれました。先生が言っていたように、大学では人生やどのように良い人になるかについては教えてくれません。しかしこのクラスは違いました。電気工学の概念、例えばベッセルフィルターの設計方法やオイラーの恒等式の使い方などは時間が経つと忘れるかもしれませんが、このクラスでの学びはいつまでも忘れないでしょう。私はこのクラスを通じてより大きな人間性を持つことができたと確信しています。 私は電気工学の学生であり、娘、妹、友だちでもあります。私は自分の人生を充実させるこれらの異なる役割をバランスさせる方法を見つけたと思います。 これからも誰かを気遣い、愛していれば、それを伝えます。混乱したら、日記を書きます。圧倒されたら、呼吸します。素晴らしい10週間をありがとう。