東洋大姫路 投げて阪下、打っても阪下で大会初勝利「初めての全国大会を楽しめました」
◇明治神宮野球大会 高校の部1回戦 東洋大姫路10ー0聖光学院(2024年11月20日 神宮) 開幕し、高校と大学の部の1回戦が2試合ずつ行われた。高校の部は、東洋大姫路(兵庫)が聖光学院(福島)との開幕試合を5回コールドで制し、3度目の出場で初勝利。プロ注目の最速147キロ右腕・阪下漣(2年)は、5回2安打の“完封勝利”で全国デビューを飾った。 東洋大姫路・阪下の制球力は全国でも通用した。「制球は誰にも負けないと神宮で体現できました」。ストライク先行を徹底して無四球とし、球数は44球のみ。許した2安打の直後にいずれも併殺を奪い、5回を打者15人で難なく片付けた。 足場は雨でぬかるみ、気温6度と冷え込む悪状況にも、手元を乱さない。全44球中、ボールは14球でストライク率68%。「どれだけコンディションが悪くても、低めを突けました」。近畿大会の4戦27回2/3を3与四死球にとどめた持ち味を発揮した。 履正社(大阪)前監督の岡田龍生監督が22年4月に就任したのを機に、同校進学を決意。名将からは「いらない四死球は出すな」と口酸っぱく伝えられてきた。一方で「打撃があかんな」とも言われてきており、バッティングは苦手で打順は9番。それでも9―0の5回1死三塁で右中間への適時打を放ち、自らの一打でコールド勝利を決めた。「初めての全国大会を楽しめました」。神宮大会の主役となる予感が漂う開幕戦勝利となった。 (河合 洋介)