作詞で等身大の言葉を紡ぐMANATOとLEOが「B E:FIRSTにいるからこそ」と語る、メンバーとの会話とは【全文公開】
「書く」ときの自分たちについて語り合うと…
昨年の全国高校サッカー選手権大会の応援歌「Glorious」の歌詞を、SKY-HIさんと共作したLEOさん。一方、「Glorious」の作曲にも関わり、歌詞はもとよりメロディメーカーとしても活動の幅を広げるMANATOさん。等身大の言葉を紡ぐことに定評のあるふたりが、お互いが知らない「書く」ときの自分たちについて語り合った。 MANATO LEOは、書くときってどうしてる? お気に入りの場所とかあるの? LEO あー、一時期お気に入りの喫茶店はあったね。カフェで書いたこともあったけど、オープンカフェだったから、夏場は暑くて書けなかったりして(笑)。結局、秘密基地みたいな昔ながらの喫茶店で書いたりしてたかも。でも、基本的には雑音がない場所が好きなので、家で書くことのほうが多いかな。何も音がない静かな状態で書くのが好きだね。MANATOは? MANATO 僕もできるだけ人がいないところのほうが集中できるので、いざ書くときは自分の家が多い。けど、歌詞を書くときに閃きをくれるのは、何気なく街中を歩いてる人だったりする。「あの人、なんか気になるな」と思ったら目で追って、その人のバックグラウンドを想像したりとか。だから、書くヒントは割と街中に転がっているとは思う。 LEO 妄想をよくしてる? MANATO かもしれない(笑)。でも、歌詞書くときって、テーマ決めがいちばん難しくない? 少なくとも僕は0を1にする作業がいちばん難しいと思っていて、「この人のこれが何か引っかかる!」ってなったら、そこから付随する言葉を広げていけるし、その言葉自体にどういう背景があるのかとか、一つの幹からバーツて枝葉が広がっていく。そうやって、ひとりの人をモチーフにして、物語を膨らませていくことが多いし、そのやり方が自分に向いてるのかなって思う。 LEO 脳内でストーリーをつくっていくのは、すごく僕のやり方と似てる! ただ、僕の場合は、常に何個か人格のスイッチみたいなものがあって、物作りをするときのスイッチが入ると、自分の周りから一切の音とかが消えて、自分を取り巻く空間が何か……無とか真空になって、自分だけの世界になるっていうのかな。そういうスイッチが入ったときが、自分の中で最高の書くタイミングなんだよね。 でも、スイッチが入るのが移動中なのか家にひとりでいるときなのかカフェなのかっていうのはケースバイケースで。すごく落ち着く、静かな空間にいても書けないときは書けない。 MANATO BE:FIRSTの楽曲って、自分の経験を投影させることが多いからね。今までも、メンバーそれぞれが経験してきた過去の痛みとか葛藤を言葉にしてきたけど、もしかしたら自分の奥底をとことんまで覗いて深掘りしていくのがLEOのやり方で、僕の場合は、自分の中にある感覚や感情を自分以外の他者と結びつけて、共感とか共鳴できる部分を探っているのかもしれない。 LEO 前々からさ、MANATOは壁がないって思ってたけど、今わかった! MANATOは、人の受け入れ能力がめちゃくちゃ高いんだよね。僕が自分を真空にしてひたすら自分を掘り下げている間にも、MANATOは他人の人生を受け入れているという……。アウトプットするものは似ているのに、アプローチの仕方が真逆で、そういうところが僕にとっては異次元な感じがして面白いんだってことが。 MANATO いやでも、誰でも受け入れるわけじゃなくて、僕がここまで壁のない状態でみんなと接することができるようになったのは、B E:FIRSTのメンバーがあまりに面白いからだと思うよ。それぞれに、音楽にかける情熱や才能は溢れているのに、もし音楽以外の道に進んでいたらと思うと、僕も含め誰ひとりうまくいっているイメージが湧かない(笑)。 本当にこれまでの人生で関わってきたことのない人間が6人いるから、一緒にいて退屈しない。アーティストとしてだけじゃなく、プライベートの会話も面白くて、ついつい「それで?」「それで?」って話の先が気になっちゃう。ついでに自分のことも話しちゃうから、人生でここまで毎日楽しく会話のキャッチボールができているのは、B E:FIRSTにいるからこそだと思う。 LEO 打てば響く奴らだよね。それぞれに会話の中で鳴らす音は違うけど、コミュニケーション能力はみんな高くて。ただ、揃いも揃って自由人だから、さっきMANATOも言ったように、オフィスみたいなところで働くのは苦手だと思う。最近は有難いことに、文章を書くようなお仕事の依頼も増えてきたけど、そういうときでも器用にパソコンを操れるメンバーがいない(笑)。僕もちゃんとした文章を書くとき以外は、iPhoneのメモ書きで凌いでる。 MANATO 僕も、効率とか容量の関係で結局今はスマホ様様だね。スマホの方が早いし、誰かと共作するときドキュメントで一緒に見られたりするから。誰かが書いたものに、「もうちょっとこうした方がいいんじゃない?」って話しかけることもできるし。オーディション中にグループごとに作詞の審査があったときは、ケータイ没収されて紙に書いて、あれはあれでよかったし、元々紙に書くのは好きなんだけど、結局作業効率のよさに負けて(笑)。 LEO 僕は、手書きだと脳のスピードに間に合わない。とくに、エッセイや文章を書くときは、自分の頭の中では映画みたいにストーリーが流れているんだよね。その場面をどれだけ原稿化できるかの勝負なので。その風景を忘れないうちに文字に落とし込めれば僕の勝ちです(笑)。 MANATO(まなと) 2001年4月29日、福岡県生まれ。SKY-HI率いるBMSG所属の7人組ダンス&ボーカルグループ「BE:FIRST」のメンバーとして2021年にデビュー。 LEO(れお) 1998年9月8日、東京都生まれ。SKY-HI率いるBMSG所属の7人組ダンス&ボーカルグループ「BE:FIRST」のメンバーとして2021年にデビュー。 撮影をしたのは…… まちライブラリー@MUFG PARK 寄贈された書籍を介して育まれているコミュニティスペース。書籍には寄贈者からのメッセージも添えられている。 所在地 東京都西東京市柳沢4-4-40
菊地陽子