ニットベスト重ね着で軽快に
腰骨丈・適度な身幅で洗練された着こなし
朝晩が冷え込んで日中との寒暖差のある今冬は、重ね着で温度調節を考える機会が多い。そんな時に役立つのが、ニットベストだ。袖がない分、軽くて動きやすく、ニットならではのぬくもりも楽しめる。 気象会社「ウェザーニューズ」(千葉市)によると、12月~来年2月の気温について、西日本は平年並みの寒さだが、北日本、東日本は総じて暖冬傾向が続く見込みという。東京都内では、朝晩を中心にぐっと冷え込む日が多く、冬もののコートなどに加え、重ね着で温度調節するのがおすすめという。 東京・巣鴨にある50代以上の女性向けセレクトショップ・えがお洋品店のスタイリスト、下地まゆこさんによると、年齢を重ねてコートが重くてつらいとの声があるそうだ。「ニットベストは、軽めの上着と重ねて体温調節ができる。提案する機会は多いですね」 洗練された着こなしには、シルエットが重要だ。丈は腰骨あたりまでで、身幅はゆったりしすぎないものを選び、肩は少し覆われるくらいのデザインが着やすい。 中に合わせる服は、シャツのような張りがある素材や縦の線がはっきりしているリブ素材などがおすすめ。パンツやスカートは、ボリュームがあるデザインを選ぶと上半身とのバランスをとりやすい。 参考になるコーディネートを見せてもらった。アダワスのVネックベスト(2万6400円)は、前後の丈の長さが異なる。「前はすっきり、後ろが長いので腰回りの量感を上手に隠せます」。シャツとふわっと広がるスカートを合わせた。同じベストにデニムパンツを合わせてもいい。
サイの丸首のベスト(2万3100円)には、リブのタートルネックセーターとワイドパンツを合わせた。腰回りにほどよくゆとりがある上に、ふんわりした編み地で着心地もいい。下地さんは「ジレが流行して、ベストのデザインも豊富です。暗くなりがちな冬の装いのワンポイントになりますよ」とすすめる。
◇ 脱ぎ着が楽な前開きのタイプもある。セレクトショップ・ビショップ有楽町ルミネ店(東京)の榎並しおりさんは「コンパクトですっきり着られるデザインが主流です」と話す。 フランスのブランド「ル グラジック」のベスト(1万8700円)は、濃紺で落ち着いた印象。ベストと同じくらいの丈のボーダーシャツを着るとバランスがよい。スコットランドのブランド「エリベ」のベスト(3万800円)は、明るい色柄が目を引く。ベストの色柄を引き立てるために、無地のタートルネックを合わせた。 榎並さんは「ボタンの開け閉めだけでシルエットに変化がつき、いろんな着こなしを楽しめます」と話している。(読売新聞生活部 野倉早奈恵)