筋トレで息を止めるのは危険? 知っておきたい正しい呼吸法
「いきむ」のがNGな場合とは?
リフティング中に息を止めても、大半の人では体に悪い影響が出ることはほとんどありません。とはいえ、一部の人では、安全上の理由から息を止めるべきではない場合があります。 バルサルバ法を使うと、一時的に血圧が上昇することがあり、めまいを起こしたり、さらには気を失ったりするケースもあります。特に息を止めている時間が数秒を超えると、こうした現象が起きやすくなります。 アメリカ心臓協会の勧告では、初心者や心臓血管に関する疾患がある人の場合は、リフティング中に息を止めないようにと注意を促しています。 また、バルサルバ法は妊婦には適さないとされています。腹圧が高まることで、胎盤に悪影響を及ぼすリスクがあるからです(あなた自身の個別の問題として、リフティング中に息を止めるべきでないケースに該当するかどうかを知りたい場合には、かかりつけの医師に相談してください)。 さて、実際にバルサルバ法を使った場合、ウエイトを持ち上げる動作をしている間は息を止め、ウエイトを下ろしてからまた持ち上げるまでの間に、動作を止めて息を吸ったり吐いたりすることになります(たとえば、バーベルスクワット動作を繰り返す途中で、立ち姿勢をとっている間などです)。
ウエイトを持ち上げている時に息を止めない場合、適した呼吸法は?
まず言っておきたいのは、現実問題として「間違った」呼吸法など存在しない、ということです。それでも、たいていの場合に役立つ経験則があるのも事実です。 エクササイズの最中、人は一番きつい運動をしている時は息を吐き、運動の強度が落ちたところで息を吸いたくなるものです。 つまり、筋肉をぎゅっと収縮させる(ウエイトを持ち上げる)時は息を吐き、筋肉を緩める(ウエイトを下ろす)時は息を吸う、というが基本的なセオリーです。 わからなくなった時は、あなたが取り組んでいるエクササイズの中で、どこが一番きついのかを考えてみましょう。 たとえば、バーベルスクワットをしているとしましょう。この場合は、しゃがみこんだ時に息を吸い、ウエイトを持ち上げている時は息を吐きます。 バーベルスクワットで一番負荷がかかる部分(「スティッキング・ポイント」と呼ばれます)は、立ち上がろうとした直後の瞬間のはずです。 では、デッドリフトの場合はどうでしょう? この動きで一番きついのは、ウエイトのバーを持ち上げている最中です。ですからここで息を吐きましょう。そして、バーを下ろしている時に息を吸えば良いのです。 ──2023年6月11日の記事を再編集のうえ、再掲しています。 翻訳: ガリレオ Source: American Heart Association, The Children’s Hospital of Philadelphia
ライフハッカー・ジャパン編集部