最後の“松坂世代” 22年のプロ野球生活に終止符 福岡ソフトバンクホークス和田毅投手電撃引退【福岡発】
「和田毅は今シーズンをもって引退をします。振り返っても悔いのない、やり残したことのない野球人生だったと思います」。 【画像】「チームあっての自分」22年のプロ野球生活に終止符 電撃引退 福岡ソフトバンクホークス和田毅投手
清々しい表情で引退会見
2024年11月5日。みずほpaypayドームで行われた福岡ソフトバンクホークス和田毅投手(43)の引退記者会見。電撃的な発表だったにも関わらず、会場には多くの報道陣が集まった。パ・リーグ最年長、22年に及ぶ現役生活。自らの意思で電撃的に終止符を打った和田投手の表情には、清々しいものが浮かんでいた。 今シーズンの全ての戦いが終わるまで明かさなかった現役引退。電撃的な発表となった裏には、和田投手の確固たる思いがあった。
チームあっての自分だという気持ち
「さまざまな人の考え方があるとは思いますが、優勝して引退試合とか、引退の報告をして『和田さんのために』『和田のために日本一になろう』とか、そういう空気だけには絶対したくなかった。今年、自分は、ほとんどチームに貢献できていないし、優勝したのは紛れもなくチーム全員の力だし、みんなの力だし、ファンの声援あっての優勝だと思うし、そのなかに私情を挟んではいけないなと。チームあっての自分だという気持ちでずっと戦っていた」 肘や肩の痛みで2018年は1軍登板ゼロ。その翌年『駄目ならやめよう』と引退を意識し始めたという和田投手。結果的に2019年は見事に復帰し、それ以降、実に34勝を積み上げ、日米通算165勝をマーク。そして2024年7月、ついに引退を決断した。
選手ではない立場で勉強する時間を
「体の痛みが本当にひどくて、『今年で最後』という気持ちでやっていたので、どんなかたちでもチームに貢献できるかたちで終わりたいなと(思っていた)。シーズン終盤に中継ぎで投げたときも結構、肩の痛みを抱えながら、注射を何回も打ちながら投げた部分もあった。『どんどん体がボロボロになっていってるな』というのをシーズン最後の方は投げながら感じていました。『ダメになったらやめよう』という気持ちを持ちながら毎シーズン戦っていたし、自分のなかでは『ホークスで選手としての役割が、だんだん終わりを迎えているのかな』と(思っていた)。今度は選手ではない立場でホークス、そして野球界に貢献できるというか勉強する時間を、というのがだんだん高くなって、その比率が高くなったのは今年」 清々しい表情で引退を語る和田投手。福岡に住んだ18年というのは、どんな時間だったのだろうか。