仮想空間の松本に活気 ばーちゃるまつもと利用好調
インターネット上の仮想空間・メタバースで松本の魅力を発信する「ばーちゃるまつもと」が昨年10月にお披露目されてから、3カ月がたった。パソコンやスマートフォンから閲覧でき、当初目標の10倍に当たる延べ約3000回の利用があった。今後は探究学習での活用や産業振興など、広い場面での活用が期待されている。 市などが参画する産官学連携組織の「デジタルシティ松本推進機構」のプロジェクトで、本年度は社会実証として仮想空間を一般に開放している。アーケード街だった頃の六九商店街(大手2)の街並みや、3月で閉店する井上本店(深志2)などを再現している。市内のみそ蔵や、酒蔵を紹介するコーナーがあり、地場産品の魅力をPRしている。実在のコワーキングスペースを再現したエリアもあり、アバター(分身)を介して他の利用者と交流することもできる。 制作には市内の高校生や企業などが参加し、新たなアイデアや、学習の機会が生まれるきっかけになっている。新年度からは機構の手を離れ、市民による本格運用が始まる予定で、さまざまな立場の人が空間上でつながり、現実世界の松本を活気づけようとしている。 プロジェクト代表の渋谷透さん(61)=横浜市青葉区=は「仮想空間が、若者と大人がつながる媒体となり、松本が抱える多様な課題の解決につながるといい」と今後の活用に期待している。
市民タイムス