【香港】沖縄ヤマトと香港ECが提携 商品や手荷物、旅行中の配送支援
沖縄ヤマト運輸は、香港の日本商品通販サイト「YAICHI(ヤイチ)」と提携し、香港から沖縄を訪れる観光客向けの配送サービスを開始する。旅行中に購入した土産物やスーツケースなどを、空港やホテルまで届けて身軽に観光を楽しめるようにする。YAICHIの利用者が増えるよう、同サイトと日本の商品サプライヤーとの橋渡し役も担う。【取材・蘇子善、文責・福地大介】 25日に那覇空港の国際線ターミナルで沖縄ヤマト運輸の新しいカウンターをオープンし、YAICHIの旅行サービス部門「YAICHIトラベル」の利用者向けにサービスを提供する。香港から訪れた観光客の手荷物を預かって宿泊先まで届けたり、沖縄旅行中に買った土産物を香港への出発前に同カウンターで受け取れるようにしたりする。 旅行者がYAICHIの通販サイトで購入した商品を、香港へ送らずに日本の発送元から同カウンターへ配達することも可能。12日に香港で開かれた地元メディア向けの説明会で、沖縄ヤマト運輸の赤嶺真一社長は「事前に購入しておけば、到着時に日本全国の商品を受け取れる。沖縄を観光しながら各地のおいしい物を食べるという楽しみ方ができる」と紹介した。 赤嶺氏は、サービスを広めるためにはYAICHIの香港での認知度を高めることが重要であり、いかにYAICHIの通販サイトに魅力ある商品を扱うサプライヤーを引き寄せるかがポイントになると指摘。約6,000社の法人顧客を持つ沖縄ヤマト運輸と、数百万社に上るヤマトグループ全体のネットワークを生かし、YAICHIのサプライヤー探しに協力する考えを示した。 ■北海道でも展開 YAICHIとヤマトグループは、沖縄以外でも観光客向けのサービスで連携していく構えだ。赤嶺氏は「沖縄で開始するモデルが日本中に広がっていけばいい」と述べ、北海道でも同様の取り組みに向けた準備が進んでいることを明らかにした。 現在、YAICHIが運営する通販サイトの会員数は約10万人。YAICHIの共同創業者で、運営会社81グループの最高経営責任者(CEO)を務める羅盛昌(エルマス・ロー)氏は「今後1年で100万人以上に増やしたい」として、香港だけでなく海外にもYAICHIの利用者を拡大していきたい考えを示した。 沖縄ヤマト運輸とYAICHIは、那覇空港のサービスカウンターがオープンするのに合わせ、25日には現地でも説明会を開催する。ヤマトグループとしてはこうしたさまざまな機会を通じてYAICHIの認知度向上を図り、将来は中国本土や台湾、韓国など香港以外の観光客にもサービスの利用が広がっていくことを期待している。