「賃上げ」は今だけ? 2024年“歓喜の春闘”を一歩引いて分析 日本に最も足りないものとは?
13日は春闘の集中回答日。大手企業では2023年を上回る賃上げが相次いでいる。 この流れは一時的なものなのか? また、各所で見られる初任給引き上げの動きは年功序列に一石を投じるか? アイデアの価値を数値化する技術を開発したVISIT Technologies株式会社CEOの松本勝氏と共に考えた。 【映像】「賃上げ」は今だけなのか? ━━大手企業の賃上げをどう見ているか? 「日本では物価が上がっているため、給料が上がらなければ生活が苦しくなってしまう。そんな中、幸いなことに現在日本企業は好調で利益が出た分をきちんと社員に還元している。全体としては良い流れだ」 ━━この良い流れをどうすれば持続・発展させられるのか? 「現在は円安であるため、輸出企業などは業績を出しやすい状況にあるが、継続的に給料を上げていくためにはDX(デジタルトランスフォーメーション)、つまりテクノロジーを駆使して業務効率化を進めて営業利益率を高める必要がある」
━━AI活用やDX化を進めると人手不足の状況から逆に人の仕事がなくなる可能性もあるのではないか? 「単純な作業はAIに任せて、人間はAIにできない創造的な仕事をしていくことになるだろう。そのためにリスキリングなどを通して新しいことを学んで新しい仕事をしていくというマインドセットが非常に重要になる」 ━━マインドセットの変革と関連して、現状の日本の企業体質や組織に構造的な問題はあるだろうか? 「(TOKYO BASEが)初任給を40万円に引き上げて話題になったが世界的に見ると全然高くない。その原因はずっと同じ会社に在籍し、徐々に給料が上がっていくことを前提とした年功序列にある。やはり各自のスキルに見合った給与をちゃんと正当な市場評価で与えていく仕組みに変化していくことも重要だ」 ━━今の若者の仕事に対する意識は変わってきているか? 「給料はあくまで働くモチベーションの一つであり、学生はそれ以外の『いかに社会貢献しているか』という観点も企業選びの際に重要視している」 ━━組織のトップが率先して風土や考え方を変えていくべきなのか? 「その通りだ。まさに変革の時代だ」 (『ABEMAヒルズ』より)