韓国外相「戒厳令宣布止めたが、尹大統領『後戻りはできない、私の判断』と強行」
チョ・テヨル外交部長官が3日、非常戒厳宣言を審議する国務会議で、「尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に『深刻な事案なので、再考してほしい』と繰り返し要請したが、尹大統領が『もはや後戻りはできない』と拒否した」と述べた。 チョ長官は13日に開かれた「尹大統領の違憲的非常戒厳宣布および内乱行為に関する緊急懸案質問」で、「戒厳宣布にどのように反対したのか」という野党「共に民主党」のチョ・ジョンシク議員の質問に対し、「『(非常戒厳宣布は)外交的波紋だけでなく、大韓民国がこの70年間に積み上げたすべての成果を崩すかもしれない深刻な問題なので、再考してほしい』と繰り返し懇願した」と述べた。 チョ長官の発言によると、チョ長官は3日午後8時50分頃に大統領室に到着し、9時頃に執務室に入った。執務室には尹大統領とハン・ドクス首相、キム・ヨンヒョン前国防部長官ら長官4人が座っていたという。チョ長官が入ると尹大統領は「戒厳令を宣布するつもりだ」とし、チョ長官に指示事項が書かれた紙一枚を渡した。その後、ハン首相が戒厳宣布に対するチョ長官の考えを尋ね、その時に大統領に再考を再度要請したというのがチョ長官の主張だ。 チョ長官は「当時、国務会議で尹大統領が12日の国民向け談話の内容と似た趣旨で発言し、『私の判断によって行うこと』という主張を曲げなかった」と述べた。さらに戒厳宣布のために席を立とうとする尹大統領に対し、チョ長官がもう一度再考を要請したが、尹大統領は「状況はすでに全て終結した。もはや後戻りはできない」として、そのまま(会議室を)出て非常戒厳を宣布したという。 チョ長官は「大統領の出国禁止などで外交権に空白が生じたが、外交の非常事態だと思うか」という質問には「深刻なダメージ(被害)があると思う」と答えた。非常戒厳宣布当日の夜、フィリップ・ゴールドバーグ駐韓米国大使の電話に出なかった理由については「戒厳宣布直後から戒厳解除まで数時間は私が『外交長官職を辞任するかどうか』について個人的信念と外交部長官として背負うべき責務の狭間で、深い苦悩と葛藤を繰り返した時間だった」と述べた。 キム・チェウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )