大黒摩季、能登半島地震チャリティライブのオフィシャルレポートが到着
能登半島地震チャリティライブ 【MAKI’s AID “Cheer Up! 能登半島!” ~人類みな親戚▼ Vol.2 ☆届け!熊本の声~】が、12月5日に熊本城ホールで開催された。 その他の画像 MAKI's AIDは「~ 人類みな親戚 ~」をスローガンに、音楽活動の場を通して能登半島地震の復旧・復興を願い、支援してゆこうと、大黒摩季が立ち上げた活動。4月に横浜で開催されたチャリティライブに続き、今回が2回目のチャリティライブで、熊本の復興のシンボルとなっている熊本城ホールから能登へエールを送り、能登の復興を支えていこうという大黒摩季の呼びかけに応え、能登の復興を願うアーティストたちが参加した。 会場に到着すると、熊本県の復興応援“絆”大使「くまモン」とMAKI’s AIDコラボによるイラストがお出迎え。大黒摩季が手掛けるジュエリーブランド・Big Black Bearのメインキャラクター「サム」とのツーショットイラストだ。くまモンはほかのキャラクターと手を繋いだコラボをすることは滅多にないそうだが、能登の支援のためならばと、今回の「人類みな親戚」というテーマからくまモンとサムが手を取り合った奇跡のコラボが実現し、チャリティグッズとして展開されたそうだ。 会場は満員。客席の人々がライブのスタートを思い思いに待つ中、定刻通りにライブがスタート。くまモンとサムのイラストに代わり、スクリーンに映し出されたのは大黒摩季からのメッセージ。8年前の熊本地震直後から現在までの映像とともに、当時、大黒が友人(大黒摩季の中高時代の同級生であり本日の司会・森田真奈美)を探しに熊本を訪れたことをきっかけに、熊本に何度も通い支援を重ねるようになった経緯と“絆”への思い、そして完全復旧に向けて進み続ける熊本市の大西一史市長による決意の言葉が綴られた。 続けて能登半島地震の復興・復旧に向けた大黒摩季の思いをのせたメッセージと映像が流れると、美しいストリングスの演奏で「Over The Rainbow」のメロディーが聴こえてくる。 「世界が絶望的な混乱に陥っても 虹の道が見つかる」。そんな希望の歌を、寄り添うように優しいボーカルが歌う。スクリーンに「人類みな親戚」と、力強い文字が投影されるとステージにライトが当てられると、司会の森田真奈美、「Over The Rainbow」を演奏した柳澤寿男とくまのとストリングスのメンバー、そして白いドレス姿の大黒摩季の姿が。あの優しいボーカルは大黒摩季であった。 司会の森田と大黒により、今回のチャリティライブの収益は有料配信分も含め、能登半島地震の義援金として寄付されること、能登では無料配信でライブの模様を届けていることが伝えられた後、開会宣言のために大西一史市長とくまモンがステージに登場。「熊本から元気を届ける、素晴らしいライブになる」そんな大西市長の確信の言葉とともに【MAKI’s AID “Cheer Up! 能登半島!” ~人類みな親戚▼ Vol.2 ☆届け!熊本の声~】が開会した。 1曲目は一青窈が名曲「ハナミズキ」を美しいストリングスにのせて披露。客席に降り、満員の観客一人ひとりに届けるように、「君と好きな人が 百年続きますように…」と歌う。能登にある一青地区にルーツを持つという一青窈だが、配信を通して、能登に住む人にも幸福を願い祈るようなその歌の響きは素晴らしく、曲後のMCコーナーでは、感動のあまり号泣した大黒摩季が登場。リハでも感激ひとしおだったという大黒からおでこにキスを受けたという一青窈は、「愛の人。マザーテレサのような人」と大黒を形容していた。 2番手は熊本出身の演歌歌手・不知火鈴香。デビュー曲「良くない恋泣くよ」を気風の良い歌唱で披露し、客席も手拍子をたたきながら自然と笑顔に。「ズンドコ節」では袴姿の大黒摩季とくまモンも登場。「♪ズン ズンズン ズンドコ」“く・ま・モ・ン!”の合いの手で観客も一体となり盛り上がった。齢50歳にして7人の子供と5人の孫を抱えるビッグマミー・不知火は、熊本地震の際に7人の子供を抱え避難所生活を送ったという。その経験をもとに、必ず能登も復興できると力強い言葉を送った。 3番手には、同じく熊本出身のアーティスト・Leolaがアコースティックギターを携えて登場。大黒たっての希望だったという「イマジン」をともに歌唱した。伸びやかな歌声が会場を包み、世代を超えたコラボで平和へのメッセージを届けた。デビューした年に熊本地震があり、益城町で暮らす両親と一時的に連絡が取れなくなった時、“後悔しないようにしたい”と思ったという経験をもとに制作したというポジティブソング「Let it fly」を瑞々しい歌声で披露。大黒は曲後に、若い世代に明るい世界を作って欲しいと思い、Leolaに今回のライブへの出演を依頼したと語っていたが、その思いはきっと実現することだろう。Leolaは最後に、「止まない雨はない」という自身が好きな言葉に込めて、熊本に、そして能登にエールを送った。 4番手は伴都美子(Do As Infinity)。冬に緑の葉を残す柊をタイトルに、困難に耐える人を守りたいという気持ちが込められた「柊」、そして困難を乗り越えてゆくという強い思いが込められた「冒険者たち」の2曲を、力強いボーカルで披露した。そのパフォーマンスに、大黒も「かっこいい」と声を上げる。熊本出身であり、熊本地震の翌年に熊本に戻り活動をしている伴だが、地震後から現在の熊本の状況も肌で感じているのだろう。能登へのメッセージは、「共に参りましょう!応援してます!一緒に!」という、強く、寄り添うものだった。 続けて登場したのは高城れに(ももいろクローバーZ)は、キラキラと華やかなステージを魅せた。「一緒に」では会場からのコールに笑顔で応え、自らもペンライトを手に取り、観客を盛り上げる。「私たち、今会えるアイドル 週末ヒロインももいろクローバーZ!」の自己紹介コールに会場は大盛り上がり。大黒摩季とお揃いのキラキラ衣装を纏ってのコラボ「走れ」では、前方から最後尾まで観客を置いていかない、さすがアイドルといった元気いっぱいのパフォーマンスで“HAPPY!”を届けた。大黒摩季も「リスペクト!」と唸るほどだ。「応援の力ってすごい」と感じている高城は、自分も能登を応援して力になりたいと語った。 前半戦を終えて始まったトークコーナーでは、サッカー元日本代表でロアッソ熊本にも所属していた巻誠一郎と、現在熊本に戻り実業家としても活躍するタレントのスザンヌが登場。大黒とは熊本地震のボランティアを通して親交を深めたという巻は、熊本の避難所を訪れた際に大黒が誰にも気づかれなかったということエピソードを披露しながらも、大黒が避難所で歌を歌うと涙する人もいて、「音楽の力ってすごい」と感じたそうだ。また大黒はそうとは知らずにスザンヌの母校にも訪れ、音楽を通して避難している方たちに元気を届け、そこでスザンヌと知り合ったという。当時のことを振り返り、大黒への感謝の言葉を伝えていた。 トークコーナーには、熊本地震をきっかけに設立され、今回の能登へのチャリティにも協力しているBRIDGE KUMAMOTO(ブリッジクマモト)の代表・佐藤かつあきも登壇。「デザインや表現活動を通じて、支援を集めるクリエイティブで間接的な支援を担うための組織」として活動を開始したという彼らの活動のひとつとして、被災地で使用された後の廃棄ブルーシートをアップサイクルしたバッグを紹介。また“くまのとプロジェクト”で集まった募金をMAKI’s AIDに託した。この募金は大黒摩季が直接能登へと届ける。 トークコーナーの最後には、改めてそれぞれが能登へのメッセージを伝えた。これまで30回以上能登に足を運んでいるという巻は、自身の経験から被災地の人たちは“忘れられることが一番怖い”、「僕たちは忘れないし、能登の皆さんのことをいつまでも見守り、足を運びます」と語った。スザンヌは、熊本が今、能登を応援できるくらいに復興が出来ているので、能登もきっと大丈夫と語るとともに、支援を受けることに遠慮している方に向けて、「いつか受け取った愛をほかの誰かに返してあげるのが良いと思うので、遠慮せずに愛を受け取ってください」(スザンヌ)と伝えた。 後半戦の幕開けには、大黒摩季にとって永遠のレジェンド、稲垣潤一が登場。仙台出身の彼は、東日本大震災の時に日本全国から多くの方が東北に駆け付けてくれたことへの恩返しもしたいと、今回の出演を決めたそう。まずは大黒の念願の「グッド・バイ・マイ・ラブ」をデュエット。まさにレジェンド、存在感のある低音が心地よく響く。大黒のソウルフルな声が重なり、実力派、大人のアーティストの貫録を見せつけた。続いては、「12月といったら…」と稲垣が口に出した途端に客席からは歓声が起こるほどの冬の名曲「クリスマスキャロルの頃には」。大黒摩季もコーラスで名曲を盛り上げ、ペンライトでリズムを取りながら聴き入る観客も大満足といった表情だ。 大黒の稲垣潤一熱はとどまることをしらず、若かりし頃の思い出を語る。曲とは不思議なもので、思い出がよみがえる。匂いさえもと語る稲垣に、大黒も深く頷く場面も。そして最後に被災地支援について、「思いは届く。一人で何が出来るのか…? と思っている方も、思いや祈りは届くものなので、気持ちを届ければいいんです」と語った。何かしたいけれど何をしていいかわからない…と悩んでいる人たちの心の枷を外し、前向きにしてくれる言葉になったのではないだろうか。 次にステージに姿を見せたのはYU-KI(TRF)。大黒とは2023年の音楽番組でのコラボをきっかけに食事をするなど親交を深め、4月の横浜に続き、2回目のMAKI’s AIDへの参加だ。「今日は歌を楽しんでくださいね!」と能登へのメッセージを送り、怒涛のヒット・メドレー(「masquerade」「DA・KA・RA」「EZ DO DANCE」「BOY MEETS GIRL」)を披露。大黒がコーラスに参加した「masquerade」に続き、「DA・KA・RA」では大黒とのパワフルなツインボーカルを聴かせ会場は熱狂。続くソロステージもバンドと息の合った圧倒的なパフォーマンスで観客を釘付けにした。 ボルテージも上がる中、ここまでのライブを支えてきたバンドとストリングスの紹介。演奏巧者たちによるサウンドに会場もさらに盛り上がる。そしてついに大黒摩季が登場。エメラルドブルーのファーコートと煌びやかなタイトミニのワンピースドレスにエナメルのロングブーツといういで立ちで登場し、「熱くなれ」でさらに会場を煽る。 「あなただけ見つめてる」では客席に降り、観客と触れ合いながらのパフォーマンス。客席はさらなる興奮のるつぼに。「夏が来る」ではファーコートを脱ぎ、最後に「幸せは来るんだよ!」と笑顔で一言。そしてペンライトを手にするとラテンのリズムにのせて左右に振りながら「いちばん近くにいてね」を聴かせ会場は一体に。続けて披露されたのは国民的応援歌・ZARD「負けないで」と、親交のあったZARDのボーカル・坂井泉水への思いをきっかけに生まれた楽曲「君に届け」。くまモンも再登場し、ノリノリのステージでは、「能登に届け~!」という大黒のシャウトにくまモンもジャンプ!そしてハイテンションロックナンバー「Anything Goes!」で畳みかけ、本編を締めくくった。 止まないアンコールに応えて、“人類みな親戚”Tシャツを着た大黒とバンドが登場。これまでのアーティストのパフォーマンスと盛り上がりに、大黒が「客席で見たかった」とポロリとこぼす。自ら音楽の力を伝えるべく披露したアンコール1曲目は、同日配信となった新曲「STAND UP!!★」。霞ヶ関キャピタルの応援歌として作られた作品だが、「♪必ず明日は来る 夜は明ける」と楽曲に込められたメッセージは復興応援にも繋がる…と、今回のチャリティライブで初披露となった。 曲後、大西市長が再登壇し、熊本地震をきっかけに始まった大黒との交流について語った。地震直後に熊本を訪れた大黒は、「とにかく炊き出しをしたり私頑張るから! いつか、熊本が元気になったら、またライブをしに来たいから、市長頑張って!」と声をかけていたと言い、ついに実現することが出来たライブに二人とも感慨深げだ。「エンターテインメントの力で心の復興を」目指した二人の思いが、今回のチャリティライブにつながったのだ。市長は、熊本市からのべ500人が職員が能登に赴き、支援を行っていることを伝えつつ、「熊本は応援される側から応援する側になった。だから能登も元に戻るから!」という力強いメッセージを送った。 ここで出演者がステージに集結。さらに地元・熊本市立必由館高等学校、熊本県立第一高等学校の合唱団40名も参加し、ライブはエンディングへ。「日本全国、世界中ひとつなれー! 『ら・ら・ら』!」と大黒は高らかに声を上げ、「ら・ら・ら」を総勢70名の出演者(なんと大西市長はドラムで参加)、そして観客全員で歌い、心満たされる圧倒的なエンターテインメントの力を示した。熊本地震で応援されてきた熊本が、まだ道半ばながらも元気を取り戻し、能登を応援出来るまでになった。いつか必ず元に戻る。今回のチャリティライブを通して示された熊本の姿は能登の方たちにとって大きな力となったに違いない。大黒摩季はこれからも、自身が信じる音楽の力を通して能登に寄り添い、さらに日本全国に、世界中の人々を応援し、パワーを届けていくのだろう。 「私にとって、皆さんの笑顔がご褒美です!」とチャリティライブを締めくくった大黒の言葉が清々しく、頼もしく、そして実感を持って響いた夜だった。 ◎公演情報 【MAKI’s AID “Cheer Up! 能登半島!” ~人類みな親戚▼ Vol.2 ☆届け!熊本の声~】 2024年12月5日(木) 熊本・熊本城ホール メインホール 出演:大黒摩季/稲垣潤一/YU-KI(TRF)/一青窈/伴 都美子(Do As Infinity)/高城れに(ももいろクローバーZ)/Leola/不知火鈴香 マエストロ:柳澤寿男 トークゲスト:大西一史(熊本市長)/巻誠一郎(元プロサッカー選手)/スザンヌ/佐藤かつあき(BRIDGE KUMAMOTO代表理事) スペシャルゲスト:くまモン(熊本県の復興応援”絆”大使) 司会:森田真奈美 アーカイブ配信チケット:3,500円(税込) アーカイブ配信視聴可能日時:12月21日(土)20:00~1月5日(日)23:59