【プレミア12】井上温大は2勝目 フォークは落ちても帽子が落ちたのは1度だけ「縫ってくれて」
◇WBSCプレミア12 1次ラウンドB組第5戦 日本11―3ドミニカ共和国(2024年11月18日 天母) 侍ジャパンの井上温大投手(23=巨人)が1次ラウンド最終戦となったドミニカ共和国戦に5回から登板。自らの暴投で1点を失い、2回1安打1失点も勝利投手となり、初戦に続いて今大会2勝目を挙げた。 今大会の開幕投手を務めた13日のオーストラリア戦(バンテリンD)では6回途中まで8三振を奪い、5安打2失点と好投して初勝利。それから中4日で今度は中継ぎに回った。 巨人の先輩でもある先発右腕・戸郷が4回5安打2失点で降板し、5―2と3点リードの5回に2番手として登板。昨季は日本ハムでプレーした2番・ハンソンに2死から中前打されたが、3番・アルカンタラを内角への148キロ直球で見逃し三振に打ち取った。 開幕戦では初回だけで帽子が8度も飛び、その後も何度も帽子が飛んだが、この日はアルカンタラを三振に仕留めた時の1度だけ。1球投げるごとに帽子がややナナメにずれ、直しながらの投球とはなったが、自慢のフォークボールは落ちても帽子はなかなか落ちなかった。 それでもイニングをまたいだ6回だった。先頭の4番・グティエレスに四球。続く5番・ヌニェスに2球を投げたあとで投じた一塁けん制球でうまく一走・グティエレスを誘い出した。 だが、これに一塁を守る清宮(日本ハム)も引っかかってまさかの後逸(記録は井上の悪送球)。テレビ朝日で解説を務めていた元ヤクルト監督の古田敦也氏(59)は清宮の捕球ミスに「お粗末なミスです、ハッキリいって」と厳しい言葉を口にしたが、これで無死二塁のピンチとなった。 ヌニェスは投ゴロに仕留めて自らライン際で打者走者にタッチし、1死三塁。だが、6番・コルデロに投じた初球直球がすっぽ抜けて三走・グティエレスの本塁生還を許した。 井上の投球内容は2回で打者8人に対して31球を投げ、1安打1失点。3三振を奪い、与えた四球は1つ、直球の最速は150キロだった。 試合後、井上との一問一答は以下の通り。 ――2イニング、どういう意識だった? 「ゼロで抑えようという気持ちで投げました」 ――屋外球場で気をつけたことは。 「雨降っていたんで、すべったりとかもあると頭に入れてたんですけど、結果的にああやって暴投を投げてしまって反省かなと思います」 ――次のラウンドに向けて。 「もう、一人一人、打ち取ることしか考えないで、一球一球丁寧に投げることがゼロにつながると思うので。そこだけ意識して投げたいです」 ――帽子が飛ばなかった。 「縫ってくれて。あれ以上、小さいのがないんですけど、縫ってちょっときつくして、やってくれたので落ちづらかったですね」 ――安定した? 「そうですね」 ――この環境で3三振を奪った。 「高めを使いながら、外国人は空振りをとれるんだなと思えたので、それもまたいい自信にしたいです」 ――戸郷のあとをついでマウンドへ。 「ゼロに抑えることしか考えていなかったので。それだけですね」