【毎日書評】なぜ醤油や味噌「発酵食品」からチームワークが学べるのか?
「発酵」と「組織論」の共通性
いうまでもなく発酵とは、「微生物の活用によって物質が変化すること」です。そして人間には、微生物が生きやすい環境を整えることしかできません。 以前、味噌メーカーの方が、「人間は、麹と、水と、塩を混ぜることしかできない、混ぜたものを味噌に変えるのは微生物にしかできない」とおっしゃっていたことがあります。多くの醸造メーカーの方は、「酵母など微生物が、活動しやすい環境を整える」という表現をします。(178ページより) この「環境を整える」という感覚は、組織マネジメントにも通じるものがあると著者はいいます。リーダーである自分にできないことを、プレイヤーに任せる、その結果を信じて待つというのは、発酵食品づくりで養える感覚と同じだというのです。 微生物たちの勝手な活動が、実は、自然と環境のコントロールになっていたり、それぞれに栄養を補給する関係になっていたりします。まるで、チームワークがそこにあらかじめ存在していたかのような動きをします。これが、日本の発酵食品づくりの魅力です。(179ページより) あくまで個々のメンバーは自分のために動くのですが、それらを足し合わせることによって、チームにとって望ましい結果が生まれる。つまりその動きは、チームマネジメントの考え方と似ているわけです。(177ページより) 基礎知識はもちろん、味噌、醤油、清酒、焼酎などの発酵食品について知っておきたいこと、そしてその取り入れ方など、発酵についての多くの知見を凝縮した書籍。ビジネスパーソンのための武器としても、ぜひ活用したいところです。 >>Kindle unlimited、99円で2カ月読み放題キャンペーン中! 「毎日書評」をもっと読む>> 「毎日書評」をVoicyで聞く>> Source: あさ出版
印南敦史