Google GeminiとStack Overflowのナレッジが統合。Stack Overflowは生成AI新サービスを提供
Google CloudとStack Overflowは戦略提携を発表しました。両社は最新AIモデルのGeminiとStack Overflowのナレッジを統合したサービスをそれぞれのプラットフォームで提供する予定です。 生成AIグラビアギャラリー
Stack Overflowは生成AIによる新サービスを提供
Stack OverflowはITエンジニアのQ&Aコミュニティの代表的な存在であり、プログラミングやITシステムの構築に関わる大量のナレッジが15年にわたり蓄積されてきました。昨年(2023年)時点で5800万件の質問と回答があるとされています。 一方で、ChatGPTのような高度な生成AIの登場によって、これまでQ&Aコミュニティで質問されてきた多くの内容が生成AIに質問されるようになったことで、Stack OverflowのようなQ&Aコミュニティの必要性が薄れてきていると見られています。 Stack Overflowは今回の戦略的提携により、AIを活用した新機能を提供すると説明しています。 同社は昨年(2023年)7月に「OverflowAI」と呼ぶ新サービスを発表しています。これは有料のサービスであるStack Overflow for Teamsに生成AIの機能を組み込み、検索に対する的確な回答とコンテンツの要約、チャットによる質問と回答など可能にするものです。 おそらくGoogle CloudとGeminiの採用によって、OverflowAIの強化や拡張などを行うと予想されます。
Google Cloudでのコーディング支援やチャットでの回答
一方のGoogleは、Gemini for Google Cloud(旧Duet AI for Google Cloud)をStack Overflowと統合し、ナレッジやコーディング支援機能を開発者に提供するとしています。 Gemini for Google Cloudとは、Google Clooudを用いたシステム開発を支援してくれるAIです。昨年5月のGoogle I/Oで発表されました(発表時の名称はDuet AI for Google Cloud)。 このときの発表では、Gemini AI for Google Cloudは「Codeアシスタンス」と「Chatアシスタンス」の2つの機能を提供すると説明されています。 Codeアシスタンスは、プログラマのコーディング作業にリアルタイムで反応し、コードの補完やコードの推奨を行い、関数やコードブロックを自動的に生成します。また、コードの脆弱性やエラーを指摘し、修正方法を提案してくれます。 CodeアシスタンスはVisual Studio Code、JetBrains IDE、Cloud Code IDE、CLoud Shell Editorなどで利用可能です。 Chatアシスタンスでは、Google Cloudの使用方法や機能など、さまざまなトピックに関する質問を自然言語を用いて行うことができます。 AIは回答として、プロジェクトの詳細な実装計画や、アーキテクチャやコーディングのベストプラクティスに関する内容を提供してくれます。これにより、関連ドキュメントを探す手間を省くことができます。 今回の戦略提携により、Gemini for Google CloudはStack Overflowのナレッジを基に、より正確かつ詳細な返答や提案を可能にすることが見込まれます。
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