「1日1切れの魚」が中高年に必須な“科学的裏付け” 医師が勧める「50歳前後から変えるべき食習慣」とは?
ずばり、数多くの信頼できる研究によって健康に悪いと考えられている食品は、①赤い肉(牛肉や豚肉のこと。鶏肉は含まない)と加工肉(ハムやソーセージなど)、②白い炭水化物、③バターなどの飽和脂肪酸の3つである。 逆に、健康に良い(=脳卒中、心筋梗塞、がんなどのリスクを下げる)と考えられている食品は、①魚、②野菜と果物(フルーツジュース、じゃがいもは含まない)、③茶色い炭水化物、④オリーブオイル、⑤ナッツ類の5つである。
『HEALTH RULES 病気のリスクを劇的に下げる健康習慣』より なかでも「健康に良い食べ物の筆頭」に挙げている魚については、67万人のデータから導き出された研究結果として、魚の摂取量の多い人ほど死亡リスクが低く、1日60gの魚を食べていた人は、まったく食べていない人に比べて12%死亡率が低かったことを紹介しています。 スーパーなどで売られている鮭や白身魚などの切り身1切れが80g前後ですから、1日1切れで60gはクリアできます。刺身であれば、3~4切れでしょうか。それだけで死亡リスクを下げられる可能性があるのです。
■中高年以降は「魚ファースト」に切り替える 循環器内科医の池谷敏郎さんも『「100年心臓」のつくり方』で、「『心臓の健康』といったらコレ!」と、EPAとDHAを挙げます。 EPA、DHAはアジ、イワシ、サバといった青魚に多く含まれる油です。 EPAは末梢血管をしなやかに開いて、血小板の活性を抑え、血流をよくしてくれる働きがあり、DHAは脳に働きかけて、うつ病や認知症の予防に役立つ可能性がある、と池谷さんは説明します。
さらに、EPA、DHAには中性脂肪やLDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールを増やす働きもある、とも。実際、中性脂肪値の高い人に使われる「ロトリガ」という薬の主成分は、EPAとDHAなのです。魚がいかに大事か、わかっていただけたでしょうか。 ただ、特に肉を食べたほうがいいシチュエーションとしては、貧血があるときです。 肉は、鉄分の接種源としては非常に優秀。動物性食品を一切食べないビーガンの人は、爪が割れたり、白髪になって髪がパサパサになったりしやすく、その原因の1つに鉄分不足があります。