草なぎ剛「重厚感のある作品に出演できて幸せ」と笑顔!主演作『碁盤斬り』舞台挨拶で共演者の魅力を熱弁
草なぎ剛を主演に迎え、白石和彌監督が初の時代劇に挑戦した映画『碁盤斬り』初日舞台挨拶が5月17日、TOHOシネマズ六本木にて開催され、草なぎ、共演の清原果耶、中川大志、市村正親、國村隼、白石監督が登壇した。 【写真を見る】父娘役で共演!娘役の清原果耶がコメントする姿を優しく見つめる草なぎ剛 「いまだから観る意味があるような作品になった気がしています」と切り出した草なぎは、「時代劇は若い方の足が遠のいているとか、あまり得意じゃない方もいらっしゃるなかで、逆にいま、この作品を届けることに意味がある気がしています」と映画の出来栄えに自信を滲ませ、「ひとつひとつの動きやセリフに重みのある、重厚感のある作品に出演できたことを幸せに思っています」と笑顔を見せた。 囲碁のシーンが見どころのひとつとなっているが、「僕は囲碁のルールはわからなくて(笑)」と話した草なぎに一同大爆笑。笑いに包まれるなか、「(中川)大志くんの(囲碁の)シーンはすごくかっこいい!(清原演じるお絹との)ほのかなラブストーリーもあるし」と中川のシーンをおすすめ。「格之進さんは囲碁のルール知らなかったんですか?」と驚きを隠せない中川に対し、「僕は(碁石を)置くところだけはわかってる」と答え、さらなる笑いを誘った草なぎは、「お客さんもルール知らないでしょ?だから、僕はルールがわからなくても没頭できるぞ!という役作りをしました。お客さんの気持ちに立っての役作りです」と草なぎ節で解説し、会場を笑いの渦に包み込んだ。 切腹しようとする父の格之進を娘がお絹が止めるシーンの撮影では「なんとしてでも止めなきゃ!という思いでした」と振り返った清原は、「(格之進を演じる)草なぎさんを隣でずっと見ていたからこそ、“止めたい”という思いが湧き出てきて。叫ぶようなシーンだったのですが、叫びすぎて声を枯らしてしまって。あのときは本当にご迷惑をおかけしました」とお詫び。そんな清原の芝居への姿勢は「まさに全身全霊。清原さんの細い体から惜しみなく出るエネルギーを感じて、こちらこそ感謝です」と感謝した草なぎは、清原お陰で思い切り父、格之進が演じられたとお礼を伝えていた。 「忘れてはおらんな」というセリフが印象的だったというMCの言葉に「そんなシーンあったっけ?」と答えた草なぎに会場は大爆笑。清原と中川が小声で丁寧にそのシーンの解説をしたが「あったっけ?思い出せない」とニヤニヤの草なぎ。どうしても思い出せなかったらしく、「僕、もう1回観なきゃ」とリピート鑑賞を宣言し、会場から大きな拍手を浴びていた。このシーンについて白石監督は、「思い入れが強いシーンです。(斎藤)工くんとのあれこれがあって、荒ぶった状態で出たセリフです」と補足し、おすすめであることを強調。「あのシーンの撮影は実はスタジオ。ロケじゃないんです!」と興奮気味に話した中川が「橋がすごい!」と目を輝かせると、白石監督は「日本の名作映画と同じ橋を作りました。日本映画のとあるいち場面を作って、そこで草なぎさんにあのセリフを言ってもらって…」という日本映画としても重要なシーンだと説明。白石監督の言葉に草なぎは「おいしいところを頂いてしまって、光栄です」とうっかり忘れてしまっていたことに苦笑いしながらも、ぺこりとお辞儀をしてお礼を伝えていた。 イベントでは「囲碁のように白黒はっきりさせたいこと」という質問に答える場面も。「世の中、大概のものはグレー。グレーも帳尻合わせには必要。白黒はっきりさせるのは囲碁の中だけ。(現実では)見たこともない世界が映画に描かれています」と上手に作品をアピールした草なぎは、大満足と言った様子で満面の笑みで会場を見渡す。 最後の挨拶で「最後のシーンを撮った日のことは鮮明に覚えています。1年以上前に撮った作品をやっとみなさんに届けられる」とホッとした様子。続けて「僕たちが生きていたその瞬間その瞬間を思いっきり詰め込み、みなさんに届けたいという一心で作り上げたものです。いまは忘れている古き良き時代のいい魂を映画に込めました。娯楽映画としても楽しめますし、心が穏やかになったり、なにか感じていただけるものがあるとうれしいです」と呼びかけ、会場に集まった宣伝部員には「ハッシュタグは碁盤斬りです。ごはんじゃないよ。ごばんだよ。点を入れてね。香取(慎吾)くんにはやめろって言われるけれど、何回でも言い続けます。ごはんじゃないよって(笑)」と最後まで笑わせた草なぎは、「いっそのこと“ごはんぎり”でもいいけれどね(笑)」と言い放ち、笑い声に満ちたイベントを締めくくった。 取材・文/タナカシノブ ※草なぎ剛の「なぎ」は弓へんに前+刀が正式表記