「あなたに興味があります」新卒学生に大量スカウトメールを送る業者たち
*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2025」の「内定を確実にする「虎の巻」最新版 実践編」を転載し、後半を加筆したものです。 「内定獲得の裏技」を鵜呑みにしていないだろうか?SNSで話題の就活成功術には落とし穴が潜む。信頼できる情報を見極め、自分の足で稼ぐ情報収集こそが周りに差をつける鍵だ。就活のプロであり人材に詳しいコンサルタントの安藤健氏が語る、実践的な情報収集術と自己分析のポイントを大公開!(取材・文/巴 康子) 【OB・OG訪問、座談会、企業説明会で押さえておきたい6つのポイントとは?】 ● 周りに差を付けろ! 秘就活テクニックを大公開 内定がない人は必見! 20社から内定をもらった秘訣をここだけで公開。これだけやれば絶対内定ゲット――こんなSNSの文句に引かれて、就活の情報収集をしていないだろうか。 「就活は質の高い、信頼できる情報をいかに収集できるかが大きな鍵になる」と話すのは、企業の採用に詳しいコンサルタントの安藤健氏だ。冒頭のように、内定の秘訣を発信する“就活終了学生”のSNSは多いが、ここで語られる話はあくまで個人の経験。再現性は乏しく、あまり参考にならない。 安藤氏は就活の流れの中で、三つのフェーズが重要だと語る。まず一つ目が「就活のための情報収集」だ。 SNSに広がる就活関係の情報発信は、こうした就活経験者によるもの以外では主に2種類ある。人材紹介エージェントによるものと、企業の採用のコンサルタントによるものだ。 後者は、企業の人事部を相手に面接官向けトレーニングなどを行っており、質の高い情報を持っている可能性が高い。 気になる情報発信者がいたら、実名か、また著書や企業のセミナーに登壇経験があるかどうかなど、経歴を調べるといい。そして、実際に採用の内部を知った上で発信しているか見極め、信用性の乏しい情報に惑わされないようにしよう。
● モチベーションマップで 自分を俯瞰する 二つ目のフェーズは「自分に関する情報収集」だ。自己分析ツールを使えば、自分の興味を把握できる。 安藤氏は、小学生から大学生までを振り返り、モチベーションの変化を曲線で表す「モチベーショングラフ」を書くことを勧める。 当時のエピソードを振り返ることがポイントだ。例えば〈中学時代のサッカー部の練習は、チームワークが良く、モチベーションが上がって続けられた〉、〈孤独な作業が続いた高校の自由研究は、モチベーションが下がった〉などだ。 「自分を俯瞰することでモチベーションの源が分かり、適した職種や企業探しにつながる」(安藤氏) 適性検査も参考になる。採用試験での結果は非公開が多いが、インターンシップが活用できる。数は少ないが、適性検査の結果を教えてくれる企業があるので、見つけたら参加してみよう。 また、ウェブで無料公開されている性格判断ツールも参考になる。若者に人気の「16Personalities」は複数の質問に答えるだけで簡単に性格のタイプが分かる。結果にとらわれるべきではないが、参考になるだろう。 さらに、裏ワザとしてエージェント型の就活サイトを賢く利用する手がある。専任のキャリアアドバイザーが企業分析や自己分析を手伝ってくれて、適した企業を紹介してくれる。 ただし、これは企業への人材紹介ビジネスであるため、エージェントが勧めたい企業を推してくることを理解した上で活用したい。 三つ目は「企業に関する情報収集」、つまり企業研究だ。一般に『会社四季報』や企業のホームページを見る方法があるが、それ以上に重要なのは人に会いにいくことだ。