旭化成建材(株)による杭工事実績3,040件に関する調査報告(全文9)
不明物件118件の今後の調査について
朝日新聞:すいません。朝日新聞のシモヤマと申します。よろしくお願いします。確認ですが、不明物件118件について教えてください。今後も調査を継続するということで、これ時期の見通しがなかなか立たないんだということだと思うんですが、一方で118件あるということは、漠とした不安が広がる可能性があります。御社としていつぐらいまでという、目標というようなことを表明していただくことはできないでしょうか。 柿沢:お気持ちは大変よく分かります。大変ご心配をお掛けして申し訳ないと思っています。不明物件と申しますのは前もお話をいたしました、処理を出して戻ってきたものとか、倒産されてた会社さん、あと意外と多かったのが、われわれの施工報告書に1つ上の下請けさんの名前までは当然入ってるんですけど、元請さんが分からないというのは、これ確か182件とご報告してたんではないかと思います。 で、実はこの物件、ほぼ全件に対して現地にまいりまして、住所は分かりますので、現地に行ってお施主さんに会えたケース、会えないケースあるんですが、あとはいわゆる役所のほうに行って、建築概要書というのを取得して元請さんを調べたりということをこの10日間ぐらいですか。やって、なんとかここまで数が減ってきたというのが現状なんですけども、引き続き元請様、あと施工のデータですね。を探していく努力は、今後も続けてまいりますけども、ある段階で国土交通省様とご相談して、ある判断をしないといけないかも分かりません。そこで今、期限を切っていつまでということは今まだ考えてなくて、とにかくこれを探索していくというか、それは今までどおりのペースで続けていきたいというふうに思っております。 朝日新聞:それと、その永遠に調査するっていうことはたぶんないんだろうと思うんですけれども、いずれかのタイミングで調査を尽くした上で、どうしてもそこまで至らなかった場合もありうるということでしょうか。 柿沢:そうですね。まったく、どうなんでしょう。たどり着けなかった、あるいはデータがないということであればまだ対処のしようが、例えば調査をするとかっていうことはできると思うんですけども、最後どういう形のものが残ってしまうのかというのはまだちょっと分からないんで、今の努力をもうしばらく続けたいというふうに思っております。 朝日新聞:あと今後の公表の在り方について、考え方をお聞かせいただきたいんですが、24日まず国交省へ報告をされるということですけども、これも今回と同じように24日のその案件については対外的に公表なさるんでしょうか。あと、この不明118件については少しずつ分かっていく可能性があると思うんですけれども、それはどういうふうにして明らかに、公表されていくんでしょうか。 柿沢:これについては国土交通省様とご相談しながら進めていく形になると思います。今、明確になってますのは24日までに、今、確認中の、500件超ございますが、これについて調査を終えて国土交通省様にご報告をするという形までは決まっておりますけども、それより先のことについてはちょっと、まだ明言はできません。 朝日新聞:細かい点の確認ですが、先ほど来、50人以上が関わっておられたということでおっしゃっていただいてますけども、現時点でこれ少なくとも五十数人はいるということだと理解すればよろしいんですか。それとも、もう60人、70人ということもあるということなんですか。 柿沢:そういう意味では五十数人というご理解で結構かと思います。 朝日新聞:分かりました。あと、せっかく建材の前田社長、おいでになっておられるので、前田社長にお尋ねしますが、先ほど来、経営責任について平居さんが厳正に対処をということをおっしゃっておられますけども、ご自身としてこの問題を踏まえて、自ら引責辞任を申し出るということはないんでしょうか。 前田:私自身はまず、やはりこの問題の解決のためにしっかりとやっていきたいと、こういうふうに考えております。 朝日新聞:その先で辞任を申し出るということはないんですか。 前田:今のところ、とにかくこの3,040件についてしっかりと安全性を確認すると。その努力をしていきたいとこういうふうに思っております。 朝日新聞:最後にすいません。平居さんにおたずねをしたいんですが、先ほど来、建材事業の今後についてのお話もありましたけれども、御社、いくつかセグメントがある中で非常に財務体力がある会社さんだと思うんですが、今回その不安が広がっている杭打ち事業をずっと持ち続けていることで御社のブランド、ほかのブランドに対して与えるネガティブな影響というのもあるかと思いますが、株主がそういうところを気にする場合もあるかと思います。その旭化成全体のブランドに与える影響について教えていただけますか。 平居:どうお答えしましょうか。旭化成全体のブランドに大きく傷を付けた案件であるというふうには思っています。で、それを数値化して表すような性質のものでもないような思いをしております。ですから、これから私たちはそれぞれのほかのビジネスにおいても1人1人が旭化成のブランド信頼を回復するために精一杯努力をしていくということを積み上げていくしかないんだろうというふうに思っています。ですから、ブランドは傷ついたと思います。しかし、そのブランドを、傷ついたブランドを回復するための努力は引き続きみんなで頑張ってやっていこうという思いでいます。 朝日新聞:ありがとうございました。 司会:そろそろお時間も過ぎておりますので、残り3名の方。では、まずじゃあ。