小中学生に“プロテイン摂取”は必要? 専門家が回答…「体調良い」の実感に潜む誤解
食トレの基本は適切な食事…「食べる理由を知ること」も重要
渡邊さんは、この先ステージを上げていくためにも体づくりは重要で、「食事は練習の一部」であるとも話す。 ただし、「どんぶり○杯がノルマ」「2合弁当(お米2合をタッパーに詰めた弁当)を残さずに食べる」といった“強制的”な食べさせ方や、罰則を与えてトラウマになるようなきつい食べ方ではなく、「食べることによって体がどのように大きくなり、競技のパフォーマンスがどう向上するのかを理解させる方が、より効果が期待できます」と言う。 最近は適切な食トレの認識が指導者にも浸透しつつあり、無理やり食べさせるような方法は減ってきている。渡邊さんが推奨する、食事回数を細かく分ける補食であれば、無理なく1日に必要なエネルギーを摂取できる。特に少食な子にはまず、補食で「食べる量を少しずつ増やしていく」のがお勧めだ。 何をどのように、どのくらい食べればいいのか。一流といわれるアスリートは睡眠を含め、自分を知り、管理し、高いパフォーマンスを継続的に発揮するための「体づくり」を行っている。親や指導者は、「なぜ食べることが重要なのか」を折りに触れてわかりやすく子どもたちに伝え、無理のない方法で、フィジカルも、メンタルも、大きく育てていきたい。
大橋礼 / Rei Ohashi