世界文化賞受賞の坂茂さん「時代に流されないために」 講演会で紙管材料の建築を語る
高松宮殿下記念世界文化賞(建築部門)を受賞した坂茂さん(67)による受賞記念建築講演会(日本美術協会主催)が20日、東京・赤坂の鹿島KIビルで開かれ、約250人が参加した。 【写真】授賞式典で常陸宮妃華子殿下から顕彰メダルを授与された坂茂さん 紙管を建築材料に使う坂さんは、国内外で手掛けた建築や、ルワンダ内戦、阪神大震災をはじめとする戦争・災害の現地に飛んで建てた仮設住宅などをスライドで解説。各地の「紙の家」が長く使われていることに触れ、「紙の家でも皆さんに愛されれば、パーマネントな(長持ちする)建築になる」と説いた。 建築史家の三宅理一さんとの対談では、「時代に流されないために、独自の素材と構造形式を作りたい」と紙管を使う背景を説明。三宅さんは「坂さんの建築は、社会正義と自発性に依拠しながら新しい地平を開いている」と高く評価した。